「氷帝の何が嫌って、マナー講座と委員会の強制参加と、後まぁ色々だよなぁ」
「朔人は何になるんだ?」
そう、ただいま委員会決め中である。去年、委員会を通して主体性の大事さを学んだ。今年は全力で運動活動委員にはならん。
「んー…課外活動系めんどいし、文化?」
「それこそ学園祭じゃねぇの?」
「祭りは好きだから問題ない」
席から立ち上がり、黒板に希望を書きに行く。岳人が「俺、去年と一緒ー」なんて言ってきたから、仕方無く岳人の分も運動活動委員の所に書いてやった。
「祭りは好きって、なら球技大会と運動会は何だったんだよ」
「運動は基本好きじゃない」
「…」
何とも非難がましい目で見られた。運動できるのと好きなのは違うんだよ!球技の半分ぐらい以外は数種類のスポーツしか俺は好かん!
「やっぱ校外活動委員は希望多いな」
「皆、他校との交流とか興味あんのかもなぁ。俺はないけど」
「朔人って実は基本的にやる気ねぇよな」
そう言う本人がやる気なさそうな岳人は、テニスやってる時はもちろん、体育祭の時もやる気満々だったから俺は何も言わない。
「遊ぶ時は全力だし」
「お前、協調性ねぇなー」
岳人には言われたくない。…いや、テニス部では実は協調性あ…無いだろ!絶対無い!だって、確か岳人っていったら飛んでみそ?だろ?!協調性の欠片も感じない!
「あ、委員決まった」
「お互い希望通ったな」
「おう。運動入れられなくて良かったぁ…」
「どんだけ嫌なんだよ」
呆れたように俺を見る岳人を睨みつける。
そりゃ、岳人は運動大好き!体育なら全部好きだぜ!って奴だからいいよな。黒板見ろよ、運動活動委員の立候補者三人しかいないぞ?男女六人必要なのに、三人。
運動活動委員の走らされ具合は半端なかった。俺はあのトイレでゲロった過酷さを忘れない。…いやまぁ、恐怖の委員長様卒業なされたから去年よかましだろうけどね。
「文化仲良い奴いないなぁ…」
「いいじゃん。これを期に友達増やせよ」
岳人の軽い提案に、じゃあ頑張るかーとゆるく決心してクラスメートの委員争奪じゃんけんを見守った。