「向日、赤外線しよ」

教室に戻るなり携帯を突き出した突拍子も無い俺に、向日は快く携帯を出してくれた。

「日達で俺の携帯に中学からアドレス増えたの二人目だわ」
「なぬ、俺を差し置いて…何奴じゃ」
「テニス部の忍足侑士って奴」

さすがは俺!墓穴掘る名人…!
忍足とか跡部の次に関わりたくねぇんですけど!何でよりにもよって忍足?!未来のダブルスパートナーの片鱗ですか?!知るか!

「一人だけとか、向日テニス部に他に友達いねぇの?」
「煩ぇ!幼なじみと固まってるから出来辛いんだよ!」
「幼なじみ?」

へー、向日って幼なじみとかいたんだ。これでそいつが可愛いツンデレな子で、向日とラブコメ的サイドストーリー繰り広げそうだったら殴っても許されるよな?

「宍戸亮と芥川慈朗って奴なんだ。二人共俺と一緒でテニス部なんだぜ?」

素晴らしい墓穴です。本当にありがとうございます!
テニス部内で幼なじみね、あー成る程成る程。思い付かなかった俺が馬鹿だった。

「テニス部の話ならいいや」
「何だよ、そんなに跡部が嫌か?」
「それもあるけど、親友がしつこくテニス部に誘ってきて、まぁそれからテニス部には関わらない方向で過ごす事にしてる」

そういや最近アイツとあんま話してないな。アイツ朝練で早く出るし遅くに帰ってくるから時間合わないんだよなぁ。

「親友テニス部なのか?」
「ああ」
「へぇ、じゃあ今度俺とお前とそいつと俺の友達でテニスしようぜ!」
「…え、お前俺の話聞いてた?」

断固拒否してその話は無くなったが、俺のテニス部嫌いが軽くスルーされている事に今後が激しく不安だ。テニス脳めが。

             


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