アキは、3さいになるのを待たずアカデミーに入れられました。こんなの異例です。どうやらお父さんは本当にアキに期待しているらしいです。
でも別にそんなんはどうでもいいんです。アカデミーの授業は簡単だから。ただ力を抜いて授業を受けるだけ。それだけだから、ね。

「アキちゃん、ぼくアキちゃんがすきです!」

…。
最近のガキは、ませてる子が多いようで。
アキは普通の2さいより大人っぽく見えるらしく、さらに奈良の血によりそれなりにかわいく生まれたせいか、よく告白されます。
恋愛ごっこなら他でやってもらいたいものです。

「ごめんね」

一言あやまって、アキはいつも逃げます。瞬身の術です。この時以外には使わないので、アキがこれを使えるのは皆知りません。
アキは男の子相手にいいなって思ったことがありません。告白にもときめきません。…何ででしょう。

何だか、前にもっとどきどきするような愛に触れたことがあった気がするのです。それと比べて、ああ違うなと思ってしまうのです。
アキは、その子が好きだったわけではありません。でも…ええと、ちょっとほだされてた気はします。
付き合うなら、その子以上じゃないと!

「アキ」
「あ、お兄ちゃん!イノちゃんとチョウジ君も!」

なんと、アカデミー帰りにお兄ちゃんと会いました。どうやらお兄ちゃん、任務帰りのようです。

「わぁ!アキちゃん大きくなったわねぇ!」
「相変わらずかわいいね!」
「えへへっ」

同い年の男の子にほめられても何とも思いませんが、イノちゃんとチョウジ君にほめられたら嬉しいです。きっと好感度の差ってやつです。
アキは、お兄ちゃん達ににこにこした後、後ろにいる大きい人を見上げました。アキは知ってます。きっと担当上忍ってやつです。

「初めまして、アキちゃん。お兄ちゃんの上司の猿飛アスマってもんだ。よろしくな」
「奈良陽です!でもアキって呼んでください!よろしくお願いします!」

アキの頭をなでたアスマさんは、いい人の目をしていたからアキは安心しました。
アキがアキでもお兄ちゃんはきっと大丈夫なことに安心しました。

お兄ちゃんはきっと近いうち、アキをアキとして見てくれます。この前の夜中お兄ちゃんと二人で話した時、アキはそんな予感がしました。

アキはアキで、お兄ちゃんはお兄ちゃん。それでいいはずです。

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