主にサクラちゃんと話していると、ナルト君がさっきの空気を誤魔化すように誰も居ない所にくないを放ち暴れ出した。

「そこかぁああ!」

うさぎに刺さったくないに怒るサクラちゃんを横目に、私は笑う。カカシ君、あからさまに私の方見ないで。
はぁ、夏に白うさぎねぇ…こんな簡単にバレるようなの、囮以外で使うべきじゃないと思うよ。

「…宵が言ってた奴か」

カカシ君の普通なら聞こえないだろう程度の呟きを聞き取った私は、桃地再不斬の話はカカシ君とナルト君にもちゃんと通っているらしいと安心して一歩後ろに下がった。
なら、私はサスケ君とサクラちゃんと依頼人を視野に静観していようか。

個人的に、気になる事もあるし。


直後、カカシ君の伏せろの声と共に頭上を大刀が通り抜け木に突き刺さる。そしてカカシ君達の危惧していた人物が現れた。

「…誰かと思ったら、霧隠れの抜け忍の桃地再不斬くんじゃないの」
「写輪眼のカカシと見受ける。…悪いがじじいを渡してもらおうか」

そんな桃地君とカカシ君のやり取りを聞き流しつつ、私は暇だとあくびした。
カカシ君が普段左目を隠すように付けている額当てを上にずらし、そのうちは特有の目を晒す。

「再不斬…まずは俺と戦え…!」
「…噂の写輪眼と戦えるとは光栄だな」

光栄って、桃地君って戦闘狂?うーん…でも人に使われるのは嫌いそうだし、調べるだけの価値はあるかな?
サクラちゃんに写輪眼の説明をするサスケ君に、やっぱり私が思い出すのは無知な私に懇切丁寧な写輪眼の説明をしてくれたイタチ君だ。本当に、よく似てる。
私がぼんやりとそんな事を考えている間に、桃地君が霧隠れの術を使っていた。

「き、消えた…!!」
「気をつけろよ。桃地再不斬…奴は無音暗殺術の達人だ。気がついたらあの世だった…ってこともありえる」

無音暗殺って、私とは対照的よねぇ。

「八箇所……咽頭・脊柱・肺・肝臓・頸静脈・鎖骨下動脈・腎臓・心臓。さて…どの急所がいい…?」

カカシ君と桃地君の殺気に怯えるサスケ君とサクラちゃんに私は一度首を傾げ、これが普通の子供の反応なのかとカカシ君の言葉により安心する二人を不思議に見ていた。

私はカカシ君と桃地君の戦いを観戦しながら、地面(一応依頼人の側)に座って自分の膝に頬杖をついた。
やー、立て続けのシリアス展開に疲れてるんだよね私。シリアスとか元々キャラじゃないし。甘栗甘のみたらし団子食べながら、遠くから暗部の子達を眺めてるのが私の幸せなのだよ。

「ア、アンタは戦わんのか…?」
「畑上忍は上忍の中でもトップクラスだすから、私が変に介入すたら邪魔になっちゃいますよ」

それに、カカシ君もナルト君も馬鹿じゃないんだから暗部の部下である緋兎がわざわざ任務について来た理由、なんとなくは察しているはずだ。プライド的にムカつくだろうけどねぇ。
まぁ、だからこそ私に動かさせるなって話だ。昔のトラウマ程度で今の部下に世話になるなんてお笑い種。

「畑上忍は、負けません」

腐ってもこの私の元部下なんだ。負けたりなんかしたら許さない。


……って、思ってたんだけどねぇ。
え?何あの子、動きを不自然じゃない程度に表仕様にしてたにしても、何普通に捕まってんの?それ一対一だったら負けてたよねぇ?はぁあ?

「屈辱」

この、私の部下ともあろうものがあの程度の相手に負けるなんて…っ!

「ナルト君、その作戦いいと思う。あんな半裸野郎やっつけろ。それで悪いんだすが、私急遽今すぐどうしても瞬時に行わなければならない急用思いついたんで、また今度」

ナルト君まで負けるわけがないので、私はそう笑顔で言いながら瞬身の術を使った。

仕方ない、あのまま居たら私は色んな事を忘れてカカシ君に怒鳴り散らしていたに決まってるから。実際、ナルト君への言葉さえ色々隠し切れてなかったしね。

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