今日はとうとう、時間も合わずに任務詰めだった暗部一班との顔合わせだ。ちょっと緊張する。ちなみに顔合わせ後は新人であろうがお構い無しに任務が入っている。暗部の人手不足は深刻か…。

赤い兎の面に緋兎の変化で一班に振り当てられた部屋に行けば、見覚えのある面々がもう揃っていた。
総隊長席にナルト君、いや空総隊長が座っている事に妙な感動を覚える。私は今になってやっと、空総隊長が暗部の総隊長だという実感がわいた。例えるなら我が子の成長を喜ぶ親の気持ちだ。
そう、総隊長席が自分の席じゃないんだ。私がどうするべきか判断を仰ごうと空総隊長を見ると、空総隊長は動揺したように席を立った。

「…空総隊長、どうかすますたか?」
「いや、何でもない」

何でもなくは無さそうに、空総隊長は言ってからまた座り直した。
まぁ、もう空総隊長の事は気にしないでおこう。ナルト君にもきっと色々あるんだ。
私は身長の高い青年に変化はしているものの、相変わらず眩しい金髪の狐面から目を逸らし、私以外のナルト君を含め五人居る一班の面々を見回した。
…うん、見事に全員見覚えある。私の記憶より、一人少ないけど。

「はじめますて!一班に配属になりますた緋兎だす!仲良くしてくだせい!」

私の渾身の挨拶に、何故かカカシ君…犬の面をした狛君の気配が揺れた。あ、まだ名前聞いてないんだった。

「…どうした?狛」
「いや…何でもありません」

えー、何そのいかにも何でもありそうな反応。さっきのナルト君といい、私何かした?

「俺は狛。よろしく」
「はい!」

いや、でも狛君は今も昔もいい人だな。うちの一班って、狛君以外は皆私の後に入った子達か同期ぐらいだからいいけど、狛君は暗部入るや否や総隊長になった私にも優しく対応してくれたし慕ってくれたもん。

「…廻だ。頑張れよ」
「ありがとうございます!よろしくお願ぇすます!」

廻と書いてカイと読む、梟の面をした彼の本名は日向ネジ。お兄ちゃんより一個年上のまだたった13歳。
ネジ君は部下達を任せるのにいい先輩で、私にとってもいい後輩だった。

「…総隊長補佐の海だ」
「…は、はい」

私はお兄ちゃんの無愛想さに絶望しました。もっと他に無いの?ちなみにお兄ちゃんは鹿の面です。

「…」
「あ、あの貴女は…?」
「ちっ…宵だ。宜しくしなくていい」

酷い。酷いけど予想通り。だって宵、私が総隊長だった頃からこうだったし。まぁなついてからはキャラ崩壊酷すぎだろって程の甘えっぷりだったけど。
ちなみに宵の本名は春野カエデ。現在…18歳ぐらい、かな?黒猫の面がかわいい。

「緋兎、一ついい?」

カカシ君であり狛君の何だかいやに真剣な雰囲気の質問に、私は空気を読まず至って笑顔でなんだすか?と促す。

「陽さんって、知ってる?」

一瞬にして、張り詰める空気。緊迫感。

「…どういう事だ」
「狛、コイツが陽様に何か関係があるのか?」

お兄ちゃんと宵が聞くのに狛君は何となくね、と私を見る。全員私に注目しているけど、特に質問した本人の狛君と空総隊長が一番怖いかな。…視線の痛さならお兄ちゃんと宵が断トツだけど、冷静に怪しんで探られる方が困るんだよね。

「さぁ…どちら様だすか?」

きょとん、と首を傾げた。まったく、厄介だなもう。

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