私が完全に暗部総隊長として木の葉を駆けていた記憶を思い出してから、さらにアカデミーがつまらなくなった。先生、アキそれ目瞑っててもできまーす!うーん…嫌な子ども。
私は影分身という裏技を使い、変化の術で今の奈良陽が20歳になったらこうなりそう、という姿に変化し里を歩く。

「ふんふふーん」

前の陽は奇抜な髪色好きだった為、目の色はそのままだったけど水色の髪に変化してたから、私の知り合い遠目でも一発で私だって解ったんだよねぇ。
前はふわふわセミロングだったけど、今は漆黒の髪で腰までのストレート。顔ももちろん奈良家っぽくて前の陽の面影は無し。なんか前より大人っぽい綺麗な顔。ふふん、この姿ならバレるまい。
…でもナルト君は、2歳の姿の私を最初から陽って呼んだよねぇ。何でだろう。

「陽?」
「…」

え?同名さん?いや、まさかバレるわけないない。だって私、歩いてるだけだもの。
私は一応横目で相手を見た。

「…?!火影様?!何故このような所に?!」
「そんな事よりじゃ、お主陽じゃろ?」
「違いますよ?やですよ火影様ったら、ちょっと見ない間にボケが進行して…」
「そんな事をわしに言うのは陽ぐらいじゃ」

…あら、何だか墓穴掘った?



火影邸に連行されました。

「して、何故お主は生きておる」
「だから私は、陽って名前じゃないですって」
「ほれ、甘栗甘のみたらし団子じゃ。お食べ」
「…ぅうう、食べたい!しかしっ!」
「これで言うか迷うのは陽ぐらいじゃと自覚した方がいいと思うがのう…」

結局もうバレバレっぽかったので食べた。もちもち。美味しい。

「部下達があまりに私を乞うので、地獄から出戻りした模様です」
「…想いの強さで生き返るなら、世界はもっと幸せじゃろうな」

ええ、その通り。
私が再び転生したのは、確かに部下達の懇願あってこそでしょうが、きっと間違いなくお兄ちゃんの幾つか試した禁術の影響がある。

「火影様、そんな細かい事気にしちゃ駄目ですよ。木の葉はまた、私という核兵器を手にしたわけなんですからねぇ」
「…一度死んだ身ながら、お主はまた、木の葉の為に戦ってくれると言うのか」

私は笑った。

「木の葉の為に戦った事なんて一度足りともありませんよ?私は私の可愛い部下達の為に。後、それなりに条件ありますから覚悟してくださいねぇ」

まったく、火影様のせいで帰る頃にはすっかり夕方だ。夕日が目に眩しい。

私が死んだのも、ちょうどこんな黄昏時だった。

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