アキは半分思い出しました。そこでアキは思うのです。人とは、変わる事への恐怖から中途半端でいることを望みます。
しかし、中途半端で得する事なんてまず無いのです。後悔してからでは遅いのです。

よって、アキは脳裏に浮かぶ映像を探して朝から木の葉をふらふらしています。
アキはその場所を知っています。アキには覚悟があります。だから見つかる事は必然なのです。

「ナルト君?」
「?!っ…アキ、ちゃんか」

開けた土地に出ました。その中心には、簡素であるはずなのに酷く存在感のある墓とナルト君が居ました。
…変なの、慰霊碑にも名前は連ねられたはずなのに。

これはきっと、彼女のお墓です。アキには、解ります。

「なんで…此処に入れた?」
「結界あったんですか?」
「…」

そのようで。
だけどアキには感じませんでした。きっと、アキだから普通に入れたのでしょう。

「…此処、俺の…俺達の大事な人が居るんだ」
「…ええ」
「陽さんって言って、凄ぇ強くて、凄ぇ優しくて、そんで…凄ぇ酷い人」
「…」
「陽さんが居なくなってから…眠り方がわかんねぇんだ」

ナルト君は墓の前で何かを懺悔するように、痛々しく座り込んでしまいました。
そんなナルト君を見て、アキは、


私は、――深くため息を吐いた。

「ナルト君、アキ帰ります」
「…ああ」

私に、我ながら2歳児とは思えない心底呆れたような顔で見られているなんて想像も出来ないんだろうナルト君は、此方を見もせず虚ろに返事らしきものをした。
私はこのまま帰ると、シカマル君もといお兄ちゃんに有らぬ事をしてしまいそうだったので甘栗甘に行った。

「みたらし三本、お願いします」

お姉さんに頼んで、先に貰ったお茶を飲む。味覚がお子様化されているのか、前より苦く感じる。
次いで、運ばれてきたみたらし団子を笑顔でお礼を言いながら受け取り、舌鼓を打つ。

もちもち。もちもちもちもち。もち。

「…私の部下達って揃いも揃ってネガティブ過ぎて、見てて腹立ちますね」

あっという間に完食した私――奈良陽は、最後にお茶を飲み干し甘栗甘を後にした。

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