私が部屋でごろごろするのがマイブームだった間に、一人の生徒が私のバジリスクに殺され、その罪をまた誰か男子生徒が着せられ、騒ぎは幕を閉じた。

パーセルマウスにスリザリンの血。
…だけでなく、バジリスクが容易くリドルに従ったのは初対面の時隣に私が居た為だ。
リドルは秘密の部屋まで私が付いていこうとするのを食われるよ?と止めようとしたが、私は気にせず寝食の恩を返した、といったところである。

「なぁああ」

あー、欠伸出た。猫暇だ。
リドルと同室のアルファード・ブラックが部屋に入ってきたのも気にせず、伸びをする。趣味が欲しい。

「おい猫」
「…」
「喋ろ」
「…」

なんか変人が話し掛けてくるんだが。うざったいなコイツ。

「煮干しやるぞ」
「要らん」
「……っ?!」

僅かに沈黙後、アルファードはがんっと音を立て後頭部をベッドに打ち付けていた。痛そうだな。私は毛繕いをする。
自分から喋ろと言った癖に、馬鹿な奴だ。と言うか猫相手にそれなんだから痛い奴だなまったく。

「い、今、しゃべ?!」
「話して欲しかったんだろう?まぁ、これはお前の脳が勝手に私が喋っているかのように捏造しているだけだがな」
「マジで?!」
「流石は変人脳だ」
「…おい待て嘘だろっ!俺は自分を罵倒する趣味はない!!」
「にゃー」
「…」

普通の猫らしく、リドルのベッドに行き丸まる。それをジト目で睨んでくるアルファード。

「にゃあ」
「…おい、今更普通の猫のふりしてんじゃねぇぞ化けね……こ?」

がちゃ。
ドアが開いた。リドルが真顔、いや白けた顔でアルファードを見ている。アルファードの顔が引きつる。

「…いや、待てリドル。違う。違う、からな…?」
「うん。別にアルファードが何をしようが構わないけど、僕と僕のリーラを巻き込まないでね」
「…っだから違うって言ってんじゃん!」

私を庇うように抱き上げたリドルに、アルファードが必死に叫ぶ。私はリドルの足音が聞こえた時点で英語話すのやめたからな。
視線を逸らすリドルにアルファードは私を睨み付けてきたので私もかわいい(こ憎たらしい)顔で一瞥してやった。

「ッこの、猫が…!」

お前は元々変人のレッテル、私はお利口さん、人徳の差だな。はんっ!
私は新しく玩具を見つけた。

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