リドルがホーラックスを作っている事は知っていた。それがどんな物かも。
魂を引き裂く事は、そんなにも悪徳だろうか?私に不老不死の望みはないが、やりたい奴にはやらせればいいだろう。なぁ、リドル。

「夕食です」
「にゃあ」

ホーラックス探しが忙しいとかで最近あまり部屋に居ないリドルに代わり、エバン・ロジエールから飯を配給される事が増えた。
エバンは本当にリドルを支持しているらしく、リドルが居ない時の私にさえ敬語だ。

「化け猫相手に媚び売るとは、ロジエール家も落ちたもんだ」
「ブラック家の失敗作に言われたくはないな」

そして、そんな私の飯係りと私の玩具は仲が悪い。そもそも、最近のリドルとアルファード自体あまり良好な関係とは言えんからな。
私がマイペースに飯を食っていると、二人は口喧嘩を始めた。
それから数分、エバンが恐らくリドル関係の用事で出て行った後、丁度飯を食い終わった私は顔を上げる。

「まったく、私が最近エバンとばかり居るから妬いているのか?」
「誰が、誰に…ッ?」

鋭い眼光で睨んでくるアルファードに、私は床に寝転がりリラックスの態勢を取る。

「ふむ、その質問が出るという事は…そうか、私にか。いや、安心しろ。当人の自由だ。ただもしそういう関係になっても、部屋ではやめてくれ」
「おい待て、意味わかんねぇけど凄く不快だ」
「アルファード、好きな相手にあの態度では実る可能性のある恋も実らんぞ」

二秒停止したアルファードは、漸く私の言葉の意味を理解したらしく腹の底から怒鳴り声を出し私に飛び掛ってきた。それを華麗にかわした私は、丁度開いたドアの隙間に身体を滑らせ開けた人物の後ろに回る。

「リーラ、だから危ないって…」

諦めたように言うリドルには返事をせず、私は尻尾をゆらゆらと揺らしながらドアの隙間を見ていた。

「リーラ?」
「おいリドルッ!その糞猫渡せ、猫鍋にしてやらァアアア!!」

猫鍋は猫を茹でる訳ではないのだが。やれやれ、頭の弱い奴だ。
酷い剣幕で襲い掛かって来たアルファードに、リドルが眉を寄せる。

「何、僕のリーラなんだけど。もし何か壊したなら弁償ぐらいはするけど?」
「煩ぇ、心的外傷だ…!俺が、ロジエールに恋とかふざけた事抜かしやがったその上から目線猫ッ!!」

あーあ。

「え…あー、ブラック、もう僕に近寄らないでね。リーラにも」
「は?…は?!いや、その猫の嘘だし、俺ホモじゃねぇからな?!」
「うん、解ったから、もう近寄らないと誓って」
「解ってねぇだろ?!」

アルファードは今日も愉快な奴だな。

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