男主短編 | ナノ




俺はよく、美少女とときめかれる容姿を持っている。
俺の一人称がおかしいんじゃねぇよ?俺の容姿が男らしさとかけ離れてるだけで、俺は列記とした男なんで。ついてるもんついてますから。

そんな俺には、好きな子がいる。同じ学園同じ学年同じ組同じ委員会の不破雷蔵だ。
なんて言うか、見てて和むんですよねこれが。迷い癖は忍者には要らなくても俺の癒しですよ本当。
まぁ、生殖活動やらの面で言えば俺生まれる性別間違えたよなあちゃーと思う。今更母上のお腹の中に逆戻りしてやり直せるわけもねぇから仕方ねぇけども。

「あー今日も雷蔵かわいいぃ…ときめく死ぬときめき死ぬ」
「名前以上に可愛い男もそうそう居ないと思うけど」
「煩ぇ三郎。違うの世の中顔だけじゃないの。もう雰囲気仕草存在からしてかわいいの…あーかわいすぎて死ぬ。俺死ぬ」
「死ぬな」
「死なねぇよ雷蔵見られなくなるじゃん、てかお前今雷蔵とそっくりな顔じゃん俺にその顔見せろ堪能させろ偽物だとしても十分の一ぐらいはときめけるきゃーかーわいい!」



私の好きな奴は、とても無神経だと思う。
奴と言うより、子と言う言葉を使うべきなのではないのかと思ってしまう程に可憐な容姿で、私の好きな男苗字名前は私の顔を両手で持って自分の顔に近づけうっとりと視線を合わせてくる。
変装で見えはしないだろうが、私の顔は真っ赤だろうし、この熱さが変装の面越しに名前に伝わっていないか不安だ。目が勝手に潤みそうになるのも堪える。

名前が雷蔵を、他の男を好きだなんて延々つらつら言いながらじゃなかったら、全部知らないふりしてこのまま口づけるのに。

「名前、私、委員会の仕事ある」
「えー…仕方ねぇな、行ってらっせ」

自分から理性もそろそろ限界だと、案に離せと言ったくせに、あっさりと離されてしまった手を反射的に掴みそうになったのをすんでの所で気づいて押し込めた。
あー、もう。何で好きになったのがこの男なんだろう。何で私の気も知らずに笑うんだろう。好き。嫌い。あいしてる。


「…雷蔵ー!!今日も!私!頑張ったよ…!あー、何であんな男好きなんだろでも可愛いんだよ世界一可愛いんだよアイツ自分がどんな顔で自分の好きな人の事話してるか、もっと!客観的に!自分を見るべき…!」
「ははは、お疲れ様。えっと三郎の好きな人って誰だっけ…?」
「それは内緒!世界一可愛い子!」



照れたように笑って自分の好きな人の惚気を言う三郎に、お前こそその顔どうにかしろよと思う。
おかしいなぁ、自分と同じ顔なのに…何でこんなに可愛く見えるんだろう。でも同じ顔でも表情が、滲み出る人柄が全然違う。三郎はやっぱり三郎で、そんな三郎が好き。
三郎に世界一可愛いなんて言われる子が羨ましいけど、それより絶対お前の方が可愛いよって言いたい。
でも、言ったって困らせるだけなんだよね。

「そうだ!ハチが今日、三郎と僕とハチと名前でお泊まり会やらないかって」
「お泊まりって…八左ヱ門、アイツいきなりどうした」
「えー、いいじゃない。三郎は嫌?」
「いや、行く…うん、絶対行くけど」

何だかんだで楽しみそうな三郎に笑って、三郎を笑顔にする提案をしてくれたハチに感謝しながら今日委員会無いし名前にはいつ言おうかと悩んでいたら、三郎が名前には私が言っておくと言ってすぐ居なくなってしまった。
名残惜しいけど、まぁ、三郎が楽しそうならいっか。



「なぁ八左ヱ門。何で今日突然泊まり会なんてしたいって言い出したんだよ」
「あ、三郎それ俺も思ったー。ハチ何で?」
「……ハチ?どうしたの、固まってるけど」
「はっ!…わ、悪い!名前の寝巻き姿が女にしか見えねぇから!」
「「「……」」」

「あー!そう、それで、俺お前等に聞きたい事あったからこの会開いたんだよ!」
「…うん、まぁいいけど。女に見えるのは自覚してるしいいけど」
「名前、ハチが悪いけど許してあげて」
「今許した」
「…あのさ、お前等好きな人とか居んの?」

「「「……今聞くか」」」

「え、何で二人もハモんの?」
「いや名前こそ何でハモったの?三郎も…」
「名前はまぁいいとして、雷蔵がハモったのは私も気になるな…私は、まぁ色々あるんだよ」
「え、何なのお前等(ま、まさか全員俺を…?!)」


200000打お礼フリリク、せんべさんへ


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