男主短編 | ナノ




「滝夜叉丸泥かわいい」
「…悪口?」
「何でっ?!」

滝夜叉丸の可愛すぎる姿を妄想しながら今の心からの正直な気持ちを口に出せば、綾部に首を傾げ爆弾発言された。本当に何で?!

「僕名前の話飽きたから蛸壺掘ってくる」
「…何だと、そんな非情な」
「名前はその辺で大多数の人間に見境無く滝について叫んでればいいよ」
「合いわかった」

綾部は踏子ちゃんを大事に抱えながら行ってしまった。なんか流されたような気が僅かにするが、気にしないでおこう。うん。
そして俺は綾部の助言に従い、叫ぼう。


「滝夜叉丸の褌舐めたぁああああいッ!!」

そこで都合良くも通りかかった体育委員の群れ。
七松先輩は相変わらずだなと言わんばかりに豪快に笑って、次屋は俺をちらっと見て滝夜叉丸に視線を移し、時友は赤い顔でおろおろと滝夜叉丸と俺と七松先輩に視線をさ迷わせ、皆本はきょとんと俺を見た。…何だろう、何故か下級生の反応の方が心が痛い。
ちなみに滝夜叉丸当人はと言うと、五秒停止後真っ赤な顔になり、七松先輩に何かをまくし立てた後高速で俺の元まで走ってきた。
俺は両手を広げて構える。

「さぁ、滝夜叉丸この腕に飛び込んでおいぴぎゃっ!」
「はぁ…はぁ…お前は羞恥を知れ!馬鹿!この破廉恥っ!」

拳骨された。痛い。滝夜叉丸からの愛が痛い。さすが体育委員。何気に力強い。

「愛を叫ぶのに羞恥とか考えてられるか!」
「何で愛が褌なんだ?!」
「それはお前、夢精の痕とかあったら今晩どころかこれから毎日おかずぐぺっ!」
「貴様やっぱりただの破廉恥じゃないか…ッ!」

俺のいつもの妄想にふるふると震える滝夜叉丸に、はっはーんと笑う。

「これも全て滝夜叉丸への愛ゆえに」
「煩い黙れ!」
「滝夜叉丸からそう言われる日が来るとは…」

自慢話をさせたら全く止まらないことで有名なこの滝夜叉丸に…いや、俺はいつもそんな滝夜叉丸を妄想しながら舐めるように見ているし、滝夜叉丸の声を喘ぎ声に変換しているが。

「じゃあ普通に愛の言葉吐く。滝夜叉丸好き、大好き、愛してるー!世界で一番愛してるー!指とかもうぺろぺろしたいっ!滝夜叉丸の汗舐めたい!すきっ!」
「う、うう煩いっ!恥ずかしい奴め!」

きゃあ!照れてる滝夜叉丸超かわいいー!泥かわいいー!



「あれ、途中からまたただの変態発言になってる気がするんスけど」
「あっはっはっ!滝夜叉丸が嬉しそうだからいいんじゃないか?二人の世界ってやつだな!」
「そうです!ええそうですとも!ふたりがいればそれが世界になるんですそうなんですそれがなにか?問題でも?
「アンタは話に入ってくんな」


お題:家出様より


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