天女様と作法委員長

私は走り去った白雪ちゃんを追う事はしなかった。だって追いつけねぇよ。一般人嘗めんな。
まぁ、立花君からしたら全面的に白雪ちゃんが悪いのは第三者の私から見ても明らかなんだよね。

「でも女の子泣かせちゃダメじゃない?」
「…泣いていなかっただろうが。アイツは泣かない」

泣かないねぇ?人間、ほぼ皆赤ちゃん時代に泣くし、泣くように出来た生物だと思うけど。
てか、白雪ちゃんは君関連で散々泣いて来てるよ。全部立花君が見てない所でだけどね。

「立花君は、白雪ちゃん嫌い?」
「だと言ったら?」
「あはは、私相手に八つ当たりやめてもらえるかな?」

殺気が痛いよ、少年。私弱いんだから、もっとオブラートに包みなさい。
まぁ、立花君の気持ちもわかるよ?だいたい、白雪ちゃんあの態度で本当は立花君を好きとか、無理無理!普通は察せませんって。

「自分が好きだって認めないのは、相手が自分を嫌いって言ってるからかな?見込みが無い恋愛は出来ない?傷つくの怖い?」
「…お前の妄想を、私に押しつけるな」
「別にそんなの、当たり前だよ?誰だって傷つきたくないに決まってる」

自分が嫌いな相手を好きで居続けるのは、精神的に辛い。もうそんな恋やめようと思って普通だ。
頑なに否定し続ける立花君を無視して、私は尚も続けた。

「でも、まぁあれだ。私も白雪ちゃんが悪いのはわかってるけど、嫌いって言うのにあんな顔した子だから…何かおかしいんじゃないかぐらいは思ってあげてよ」

今までのはもう全部白雪ちゃんが悪い。過去は変わらない。
だけど、今白雪ちゃんは必死に頑張ってるんだよ。だからその頑張りだけは見てあげて。違和感を無視しないであげて。

「そこから先は、白雪ちゃんが頑張るからさ」

まぁ、今まで散々だったんだから、その分白雪ちゃんが物凄く頑張らなくちゃいけないのは当然ですとも。

私は何も言わない立花君を残して、この学園での自室へと戻る為歩き出した。私、今日は朝食抜きか…。
食堂の場所はね、覚えてるんですけどね、私白雪ちゃん無しに殺気に飛び込む程マゾヒストじゃないんだよね。部屋で大人しくしてまーす。

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