「はい!という訳で今日はなまえちゃんの歓迎会でーす!」

昼過ぎに近藤さん珍しくが俺を道場に誘いにきた。姉さんと道場に来きたら、昨日すれ違った奴がいた。近藤さんはそいつの頭を撫でながら(そいつはめっちゃ嫌そうな顔してたけど)「今日はなまえちゃんの歓迎会やるから練習ナシ!」って言った。こいつ、なまえって言うのか。


「じゃ、なまえちゃん自己紹介よろしく。」
「え、自己紹介ですか…?」

その歓迎会(という名の宴会)はすぐに始まった。御膳には姉さんの手料理が並んだ。うん、上手そうだ。もちろん酒も忘れてない。

「軽くでいいからよろしく!」
「…なまえです。」
「……ってそれだけええええ!?もっとなんか無いの!?」
「ありません。」

目の前で起きてるコントに姉さんが微笑む。土方のヤローが笑う。


…気に食わねぇ。



「お友達が増えて総ちゃんよかったわね!」
「そうだ、よかったな総悟。仲良くしろよ!」
「…フン。」
「もう、総ちゃんたら…。」


何も良くない。第一、こいつがいるおかげで近藤さんが俺に構ってくれなくなるじゃないか。…ただでさえ、土方のヤローのせいであんまり構ってくれないに。
ちらりと土方を見れば静かに酒を飲んでいた。その側でなまえが小さく座っていた。


「ねぇ、なまえちゃん。私の事本当の家族だと思ってね。」
「…家族。」
「そうだぞ!俺の事はパパと呼びなさい!」
「え、嫌…。」
「なんでええ!?」

その時の土方のなまえを慈しむ様な顔がムカついた。

やっと近藤さんが俺に気付いて手招きする。
「おい、総悟もこっちこい!」
「…だ。」
「?どうしたの、総ちゃん?」


「お前なんか嫌いだ!」



俺はなまえに叫んで部屋から走って逃げた。





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