「どうしたの名前?ニヤニヤして。好きな人でも出来た?」
「え!ナミなんでわかったの!?」
「なんとなくよ。」
紙パックの野菜ジュースをチューと飲みつつ、頬づえを付いてぼうっとしている名前をじっと見つめていた。

「そんなぁぁァ!マイスウィートエンジェル、名前ちゃんに想い人だと…!?」
「サンジ君うるさい。」
サンジが大股で名前に詰め寄る。そんなサンジをナミは一蹴する。

「で、どんな人なの?」
「え!?え〜と…。」
「恥ずかしがっちゃって!可愛い。」
「当たり前だろ、俺の妹だからな。」
「もう、止めてよ!」

名前とナミが女の子らしい会話を繰り広げる。ナミが名前を愛でるように抱きしめた。
すると名前の兄、トラファルガー・ローが仁王立ちしで会話に入って来た。

「……ってなんでここにお兄ちゃんいるの。」
「え!?ロー先輩?」
「妹の危機とあらば駆け付けるのが兄の務めだ。」

突然の来訪者に女子2人が驚いた。すかさず名前がローを訝しげに見つめていた。ドヤ顔のローはさも当たり前に名前の隣に座った。

「お兄ちゃん帰って!また私の事邪魔しに来たんでしょ。」
「むしろお兄ちゃんはお前を守りに来た。」
「意味わかんない!」
「いいか、男は皆獣だ。皆飢えてんだよ。お前が見ず知らずの野郎と付き合ったらナニされるか分からないだろが!」
「気持ち悪い!」
「(キモっ…。)あー、こりゃ最大の障壁は名前のお兄さんかもね。」

ローが緊迫した表情で名前の肩を掴み迫る。がしかし名前は引きぎみでのけ反りローから逃げようとする。
そんな様子を見たナミはため息をつき呆れていた。


「お兄ちゃんは断じてお付き合いを認めません!付き合いたいなら俺より強い男を連れて来るんだな。」
「なら大丈夫よ!」
「なんだと?」
「自信あるわね。」

机を叩き立ち上がると意気揚々と宣言しるロー。意外と机を強く叩き過ぎたのか手を痛そうにしてる。
名前は負けじと笑顔で返事を返す。

「私ねその人不良から助けて貰ったの。」
「何だと!お兄ちゃんを呼べば助けたのに…!」
「…。」
「でね、不良に肩捕まれて寄りつめられた時死ぬかと思ったけど、その人が現れてすぐ倒しちゃたの〜!」
「なかなかやるわね。で、名前は聞いたの?」
「あっ!聞くの忘れてた…。」
「特徴とかは覚えてないの?」
「あ、うちの高校の制服着てた。」
「なんだと!?」
「へぇ!じゃあ早く見つかるわね。」
「だといいね!」

ちょいちょい入ってくるローを睨んで会話を進める名前とナミ。
すると、いきなり教室のドアが開いた。
「やっぱりここか!おい!トラファルガー、てめぇっちょっと来い!」
新しい来訪者、ユースタス・キッドである。何やらローに対して怒っている。

「あ?ユースタス屋?邪魔するな、今大切なところ…。」
「キャー!この人よ!」
名前が立ち上がりローに負けず劣らずの勢いの高速スピードでキッドに駆け寄った。すかさず、冗談だろといった顔のローが追った。

「メアド教えて下さい!」
「ユースタス屋、名前をたぶらかしやがって!」
「はァ!?」
名前は輝かしい笑顔でキッドを押していた。さながら肉食動物のようだった。ローは名前とキッドの間に入って凄まじい眼をキッドに飛ばした。
名前とローの二人に言い詰められたキッドは何が起こってるのか困惑気味だった。



そして様子を遠目で見ていたナミは二人はなんだかんだ言って、兄弟だなと感じた。



20110428





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