*少しお下品
「ねぇ、名前。」
「ん?」
「俺達さ。そろそろ次の段階に行っても良いと思うんだけど。」
「……。」
私ちょっと幻想を抱いていたのかもしれない。恋人同士はきっと甘い甘いチョコレートの部屋で交わす言葉のみで構築されている。そんなは真っ赤な嘘だ。嘘、嘘。
男と女で有る限りだ。
ドロドログチャグチャした欲望をいつかは受け止めなければ為らない。でも好きなら出来る。大好きな人の為なら尽くす事は当たり前。
全ては愛する人のため。
「…ごめん。」
「そっか…。」
「…。」
私は臨也を愛していた。だけど行為をする気に成れなかった。きっと私は身勝手な恋人観が邪魔してがんじがらめになっている。こんな私は本当に臨也を愛していると云えるのか。
冷え切った空間が全てを物語っていた。
プラトニックマーチ/110818