みゆきちゃんは道に迷っていた僕を助けて遅くなってしまった、と事の経緯を話し、先生にはみゆきちゃんの遅刻をなくしてもらった。
みゆきちゃんは嬉しそうに「ありがとう!!」と言って抱きついてきた。なんてスキンシップ旺盛な子なんだ。好感が持てるよ!!
「猫乃目さんは、先生が合図を送るからその時に入ってきてね」
【ティオ】
「ラジャッ!」
ビシッと敬礼付きで返事をすると、先生はクスッと笑って教室に入っていった。美人な先生だったなぁ〜……。
先生の残り香(グレープフルーツの香り)をお得意の嗅覚で楽しんでいると、合図が聞こえてきた。
スライド式のドアを開け、教室へ入る。
と、一番後ろの席のみゆきちゃんが驚きと嬉しさが混じった表情でこちらを見てきた。そんなみゆきちゃんに小さく手を振る。
「今日転校してきた、猫乃目ティオさんです。ではティオさん、自己紹介をどうぞ」
【ティオ】
「はーい」
先生に自己紹介を促される。
【ティオ】
「皆さんこんにちは!僕は今日転校してきた猫乃目ティオです。和洋混ざった名前を聞いてみて疑問に思った人もいるかと思います。実は僕、日本人とイタリア人のハーフなのです!つい三日前まではイタリアに住んでいました。日本風に表すと、『帰国子女』って言うのかな。日本人のお父さんからいつも日本のことを聞いていて憧れていました!ようやくお父さんの許可を取って憧れの地に移住できて、もーとっても嬉しいです!聞いて分かる通り、僕は日本のことが大好きなので、これから日本のこと、教えてくれると嬉しいかなー。以上、猫乃目ティオでした!」
ペラッと自己紹介を終える。勿論嘘情報だけど。捏造しなきゃやってらんないって。
緊張を感じさせない自己紹介に、皆は一瞬呆気に取られていたようだが、一人が拍手をすると、それがクラス全体に広がり皆が僕を拍手で迎え入れてくれた。
「ありがとう猫乃目さん」
【ティオ】
「うっす!」
美人な担任の先生に敬礼で答える。
先生は僕に笑顔で返事をして、教室のほうへ向き直り、
「猫乃目さんの席は、後ろの……」
「はいはーい!ウチの斜め後ろやで!」
【星空みゆき】
「はいはい!わたしの横だよ!」
窓際の二人が元気良く空いている席を指差していた。
おー、元気いいのが二人いると、いっそのこと清々しいなぁ。
【ティオ】
「よーしティオちゃんそっちに行っちゃおうかなぁ〜」
スキップでもしそうな足取りで席へ向かう。
【星空みゆき】
「ティオちゃんと同じクラスだなんて、運命だね!」
【ティオ】
「せやで、僕ら赤い糸で結ばれてんねんで!」
やだーもー、とみゆきちゃんが照れ笑いをする。
ちなみに僕たち、もう名前呼びまで進展しました。僕のコミュ力なめんな。
まだ「きゃーっ!」と騒いでいるみゆきちゃんを見ていると、その前の子がおもむろに立ち上がり、
「……ちゃう」
【ティオ】
「お?」
「ちゃう!関西弁のイントネーションがなっとらんで自分!!」
いきなり指摘された。指でビシっとまでされた。
【ティオ】
「な、なんだ……と……!?」
「自分、日本が好きーゆうてたな?ならウチが、日本の代表『関西』から自分に教えこんだる!!」
【ティオ】
「マジでか!」
「まずは『なんでやねん』からゆうてみい!」
【ティオ】
「な、なんでやねん!!」
「ちゃう!それやったら標準語と一緒や!もう一回!」
【ティオ】
「なんでやねん!!」
「ちゃう!タメが短い!」
【ティオ】
「んんんんなんでやねん!!」
「タメ長すぎ!!あんた全然あかんわ!」
【ティオ】
「先生、どんな感じなら大丈夫なんですか先生!」
「あーん?ええか、もっとヒュッとしてパッって感じや」
【ティオ】
「先生、全然わかんないっす」
いきなり始まった「なんでやねん」の練習に、クラスの皆が笑い出す。
また「なんでやねん」の練習を始めようと息を吸い込んだところで、「んん!!」と先生の控えめでいて威圧感のある咳払いが聞こえてきた。
そこで、ハッ……とする僕たち。
クラスメイトたちの笑いに包まれながら、お互い苦笑いで席に座った。
「あはは……ごめんな、熱くなってもうて」
【ティオ】
「構わんよ」
「忍びねえな!」
「「www」」
このネタがわかる中学生も珍しい……!
一種の感動を覚えていると、関西弁の子が改まった顔で私に向き、
【日野あかね】
「うち、日野あかね。よろしゅうな!」
【ティオ】
「うっす!あかね先生ちーっす!」
ちょっと離れているから、お互い頑張って手を伸ばして握手をする。
そんな僕らを、みゆきちゃんは嬉しそうな笑顔で見つめていた。
そしてまた、先生の咳払いが教室に響いた。
自己紹介とかしてみる
------
なんでやねんネタは某笑顔動画で活躍中のあの方から。大好きです。
みゆきちゃんは嬉しそうに「ありがとう!!」と言って抱きついてきた。なんてスキンシップ旺盛な子なんだ。好感が持てるよ!!
「猫乃目さんは、先生が合図を送るからその時に入ってきてね」
【ティオ】
「ラジャッ!」
ビシッと敬礼付きで返事をすると、先生はクスッと笑って教室に入っていった。美人な先生だったなぁ〜……。
先生の残り香(グレープフルーツの香り)をお得意の嗅覚で楽しんでいると、合図が聞こえてきた。
スライド式のドアを開け、教室へ入る。
と、一番後ろの席のみゆきちゃんが驚きと嬉しさが混じった表情でこちらを見てきた。そんなみゆきちゃんに小さく手を振る。
「今日転校してきた、猫乃目ティオさんです。ではティオさん、自己紹介をどうぞ」
【ティオ】
「はーい」
先生に自己紹介を促される。
【ティオ】
「皆さんこんにちは!僕は今日転校してきた猫乃目ティオです。和洋混ざった名前を聞いてみて疑問に思った人もいるかと思います。実は僕、日本人とイタリア人のハーフなのです!つい三日前まではイタリアに住んでいました。日本風に表すと、『帰国子女』って言うのかな。日本人のお父さんからいつも日本のことを聞いていて憧れていました!ようやくお父さんの許可を取って憧れの地に移住できて、もーとっても嬉しいです!聞いて分かる通り、僕は日本のことが大好きなので、これから日本のこと、教えてくれると嬉しいかなー。以上、猫乃目ティオでした!」
ペラッと自己紹介を終える。勿論嘘情報だけど。捏造しなきゃやってらんないって。
緊張を感じさせない自己紹介に、皆は一瞬呆気に取られていたようだが、一人が拍手をすると、それがクラス全体に広がり皆が僕を拍手で迎え入れてくれた。
「ありがとう猫乃目さん」
【ティオ】
「うっす!」
美人な担任の先生に敬礼で答える。
先生は僕に笑顔で返事をして、教室のほうへ向き直り、
「猫乃目さんの席は、後ろの……」
「はいはーい!ウチの斜め後ろやで!」
【星空みゆき】
「はいはい!わたしの横だよ!」
窓際の二人が元気良く空いている席を指差していた。
おー、元気いいのが二人いると、いっそのこと清々しいなぁ。
【ティオ】
「よーしティオちゃんそっちに行っちゃおうかなぁ〜」
スキップでもしそうな足取りで席へ向かう。
【星空みゆき】
「ティオちゃんと同じクラスだなんて、運命だね!」
【ティオ】
「せやで、僕ら赤い糸で結ばれてんねんで!」
やだーもー、とみゆきちゃんが照れ笑いをする。
ちなみに僕たち、もう名前呼びまで進展しました。僕のコミュ力なめんな。
まだ「きゃーっ!」と騒いでいるみゆきちゃんを見ていると、その前の子がおもむろに立ち上がり、
「……ちゃう」
【ティオ】
「お?」
「ちゃう!関西弁のイントネーションがなっとらんで自分!!」
いきなり指摘された。指でビシっとまでされた。
【ティオ】
「な、なんだ……と……!?」
「自分、日本が好きーゆうてたな?ならウチが、日本の代表『関西』から自分に教えこんだる!!」
【ティオ】
「マジでか!」
「まずは『なんでやねん』からゆうてみい!」
【ティオ】
「な、なんでやねん!!」
「ちゃう!それやったら標準語と一緒や!もう一回!」
【ティオ】
「なんでやねん!!」
「ちゃう!タメが短い!」
【ティオ】
「んんんんなんでやねん!!」
「タメ長すぎ!!あんた全然あかんわ!」
【ティオ】
「先生、どんな感じなら大丈夫なんですか先生!」
「あーん?ええか、もっとヒュッとしてパッって感じや」
【ティオ】
「先生、全然わかんないっす」
いきなり始まった「なんでやねん」の練習に、クラスの皆が笑い出す。
また「なんでやねん」の練習を始めようと息を吸い込んだところで、「んん!!」と先生の控えめでいて威圧感のある咳払いが聞こえてきた。
そこで、ハッ……とする僕たち。
クラスメイトたちの笑いに包まれながら、お互い苦笑いで席に座った。
「あはは……ごめんな、熱くなってもうて」
【ティオ】
「構わんよ」
「忍びねえな!」
「「www」」
このネタがわかる中学生も珍しい……!
一種の感動を覚えていると、関西弁の子が改まった顔で私に向き、
【日野あかね】
「うち、日野あかね。よろしゅうな!」
【ティオ】
「うっす!あかね先生ちーっす!」
ちょっと離れているから、お互い頑張って手を伸ばして握手をする。
そんな僕らを、みゆきちゃんは嬉しそうな笑顔で見つめていた。
そしてまた、先生の咳払いが教室に響いた。
自己紹介とかしてみる
------
なんでやねんネタは某笑顔動画で活躍中のあの方から。大好きです。