氷る猫の暗躍 | ナノ
01.どたばたな感じで出会ってみる
【ティオ】
「さて……と」



僕はある曲がり角で構えていた。
学校近くに位置するそこは、ウルフルンを負かしたとされるプリキュアが通る道だった。
さて、そろそろ来てもらわないとこっちとしても困るんだけどなぁ……。



【ティオ】
「!」



タッタッタ、と規則正しい足音が聞こえてきた。
時間は遅刻ギリギリ、どうやら相手は寝坊でもしたようだ。
その足音を聞き、こちらも構える。
さぁこい……いつでも相手をしてやろう……!!



「わぁ〜!!今日も遅刻しちゃううううう!!」



なんて悲鳴も聞こえてくる。
決定、相手は朝寝坊をしたようだ。
足音が丁度近くなってきたところで走り出す。




【ティオ】
「にゃあ!?」


「きゃあっ!?」



走ってぶつかってみてわかったがなかなか痛い。勢い出しすぎだろ。
しかし、相手方もそれなりに痛かったよう。こっちも勢い出しすぎたみたい。めんご。



【ティオ】
「あいったー……ごめん!大丈夫ー?」


「いったた……あ、うん!ぜんぜん平気!」



目じりに涙を浮かべているのに笑顔で受け答え。やせ我慢してるなぁ。



【ティオ】
「ごめんね、僕急いでて前のほう注意してなかったんだー。怪我ない?」


「わたしも急いでて全然前気にしてなかったからお互い様だよ!気にしないでっ」



ニコッ、と笑顔で返される。うっ、まぶしい。



【ティオ】
「って、あ……。君って七色ヶ丘中学校の人!?」


「ぅえっ、そ、そうだよ?」


【ティオ】
「よかったー!僕、今日そこに転校する予定なの。でも道がわかんなくって、困ってたんだぁー……」


「転校生!?すごい!私も実は昨日転校してきたばっかなの!」


【ティオ】
「ワオ!すごい!偶然!?」



なーんて、本当は知ってますがね!どうかね僕の演技力!



「転校生仲間に出会えるなんて、ハッピー!」


【ティオ】
「僕もうれしい!君、名前なんていうの?」


【星空みゆき】
「わたし?星空みゆき!あなたは?なんてお名前なの?」


【ティオ】
「猫乃目ティオ!よろしく!」



右手を差し出し握手を求めたら、みゆきちゃんは肩が外れるんじゃないかってくらい勢い良くぶんまわしてきた。おっま、本当に外れる!最近の子供ってどんだけ!!




たばたな感じで出会ってみる




 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -