氷る猫の暗躍 | ナノ
08.秘密基地探してみる
あかねちゃんが開けた扉の先は、なんとも獣臭い場所だった。
嗅覚や聴覚は動物寄りな僕には、この急な匂いの変化がきつかった。思わず鼻を押さえる。



【日野あかね】
「な?ええやろ、ここ」



あかねちゃんは赤ちゃんゴリラを抱えながら、楽しそうに言った。
あらやだ本物!!



「こらー!!」



ゴリラの柵の中、奥の扉から作業着を着た飼育委員が飛び出してくる。
そう、ここは動物園のゴリラの柵の中である。



【キャンディー】
「はやく、本の扉を開けるクル!」


【緑川なお】
「そんなこと言ったってー!」


【青木れいか】
「絵でかいた本棚は、動かせませんね」


【ティオ】
「逆にいうと、絵でかかれた本棚からでも出てこれるのか……」


【黄瀬やよい】
「二人とも冷静すぎー!」



ちゃうねん、これは現実逃避や。
にしても便利すぎるなぁ……



【日野あかね】
「ここ……やっぱ、あかんか」



むしろ何故大丈夫だと思ったのか。



「君たちどっから入ったんだ!?」


「「「ごめんなさいー!!」」」



赤ゴリラの威嚇を受けながら、僕たちはなんとか脱出した。
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