氷る猫の暗躍 | ナノ
08.秘密基地探してみる
光の中を抜けると、いつぞやの芝生に降り立った。
この本棚に囲まれた空間……うん、この間来た不思議図書館だ。
見回すと、皆すでに揃っている。



【キャンディー】
「全員集合クル!」


【星空みゆき】
「皆ちゃんと来られたね!」


【黄瀬やよい】
「迷子にならなくてよかったー!」


【緑川なお】
「自分の家から来るの始めてだもんねー」


【青木れいか】
「それにしても、本棚から来られるなんて不思議ですね」



木漏れ日のような日が差し込む頭上を見上げる。



【キャンディー】
「不思議図書館の本の扉を使えば、どこえでも行きたい所に行けるクル」



見上げてみると、果てなく本棚が並んでいた。
流石世界中のメルヘンが集まってるだけ、本の数も尋常じゃないなぁ……。
なんて感心していると、



【日野あかね】
「秘密基地、ここでええんちゃうか?便利やん!」


【星空みゆき】
「そっかー!」


【黄瀬やよい】
「いいかも!」



と言った途端、やよいちゃんが踵を返して駆け出してしまった。



【キャンディー】
「やよい!どこへ行くクル?」


【黄瀬やよい】
「探検してくるー!」



やよいちゃんって大人しいと思えば好奇心旺盛だよなぁ。
と思いながら駆け出したやよいちゃんを見ていると、急に姿が消えた。



【ティオ】
「やよいちゃんの霊圧が……消えた……!?」



いや、かすかに向こうから「いったぁ〜……」とか聞こえる。なんだ転んだだけか。



【星空みゆき】
「やよいちゃん!大丈b――きゃああ!?」



転んだやよいちゃんの元へ走り出したみゆきちゃん。
そんなみゆきちゃんのフードに木の枝が引っかかり、そのまま釣り下がってしまった。木の枝丈夫だな……。



【日野あかね】
「なにやってんねん」



残りのあかねちゃんたち三人が、驚き半分呆れ半分で二人の救出に向かうため走り出す。
すると今度はあかねちゃんが落ち葉を踏み、それに滑ってしまった。
転んだ拍子にとっさになおちゃんにつかまり、転びそうになるなおちゃんを支えようと、こちらもとっさになおちゃんを抱きしめたれいかちゃんも反動で転んでしまう。
ドミノ倒しの要領で、やよいちゃんが落ちた段差に三人も滑っていってしまった。



【ティオ】
「あちゃー……。皆大丈夫かー」



歩いて皆に近寄る。走るから危ないのだろう。
案の定、普通に歩けば特に被害はなかった。
道中みゆきちゃんを救出しつつ、四人が落ちた段差へ行く。
すると、突然顔を汚したあかねちゃんが「ガバッ!!」と起き上がり、



【日野あかね】
「ないわ!やっぱ秘密基地、ここちゃうわ!!」


【緑川なお】
「うん……折角どこへでも行けるんだし、もっと素敵なところにしようよ!」


【みゆき&やよい】
「「素敵なところ!?」」


【青木れいか】
「それならわたくし、プリキュアにふさわしい、素晴らしい場所の心当たりがありますよ!」


【日野あかね】
「どこやー!?」


【青木れいか】
「それは……」



れいかちゃんは自分の荷物(木箱?)を抱えながら本棚に近づき、本をスライドさせて扉を開けていく。



【青木れいか】
「行ってからの、お楽しみです!!」



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