【ティオ】
「だー……しんど」
鞄片手にうろうろする。
今日は休日。みゆきちゃん提案「秘密基地探索」のため朝から呼び出しを食らっている。
秘密基地に自分が持って行きたいものを持ち寄るらしい、が。
特にない場合、非常に困る。
いまだなにも詰まってない鞄を見て、小さくため息を漏らす。
きっとあの子たちのことだ、必ずなにかしら持ってくるに違いない。
そのなかに特に何も持参していなかったら目立つ。変に目立つことは避けたい。
【ティオ】
「えーと、持ち寄るっつったって……なにかあったかなぁ」
ガラケーとスマホを手に取り、心の中でひっそり呟く。
僕は携帯二つ持ちだ。
ガラケーの方をプリキュア用に使用している。
スマホはただの暇つぶし道具。ネットとか開くときに便利なんだなこれが。
この二つは必需品として、上着のポケットにしまう。
あとは適当におつまみでも持っていくか。なにがあったかなー……とりあえずあたりめは持っていこうかなぁ。
ほかにはビールに、チーカマと枝豆を――
スパアン!!
頭をなにか、すばやいものが叩いていった。
痛む頭をとっさに押さえ、頭上を見上げる。
そこには眉をしかめたジョーカーがいた。
【ティオ】
「な、なにをする!?」
【ジョーカー】
「『なにを』?それはこちらの台詞ですよ。なんですかその鞄の中身は」
【ティオ】
「なにって……見てわかんないの!?」
【ジョーカー】
「女子中学生が持ち寄る物ではないこと以外わかりません」
そういわれ、改めて鞄の中身を見る。
・あたりめ(一袋)
・ビール(五本)
・チーカマ(五袋)
・枝豆(五十個入り一袋)
ほほう……なるほど。
【ティオ】
「おっさんかっ!!?」
【ジョーカー】
(自分でつっこんだ……)
なに、いつの間にこんなものを入れていたんだ!?無意識って怖い……。
【ジョーカー】
「いくら実年齢が二十歳を悠に越してるとはいえ、あなたは今花の十台設定なんですよ?」
【ティオ】
「設定とかちょっおまっメメタァ」
【ジョーカー】
「夜に一人寂しく晩酌とかしないでください!疲れてるのもわかりますけど…できることなら控えるようにしてくださいね?」
【ティオ】
「んだよ酒一滴で酔っ払う下戸のくせして!ならジョーカーが僕の晩酌に付き合ってくれんの!?」
【ジョーカー】
「無理です!って、だから晩酌事態やめてください!」
【ティオ】
「やーだー!飲まないとやってらんない!」
【ジョーカー】
「我侭いわないの仕事なんですから!せめて今日から一週間は禁酒ですよ」
【ティオ】
「外道の極みっ!!」
鞄の中身のほとんどを没収された。チーカマは残してくれた。せめてもの優しさだろうか。
禁酒令を出され、駄々っ子の如くゴロゴロ床を転がっていると、顔の横に僕の鞄が置かれた。なぜか中が膨らんでいる状態で。
【ティオ】
「ジョーカー?」
【ジョーカー】
「ほら、ばっちいから早く起きてください」
【ティオ】
「なに入れたのさこr」
【ジョーカー】
「あっ、ちょ、ここで開けないでください」
【ティオ】
「あべしっ!!」
くっ、一瞬で動揺を押さえ冷静に平手打ちしてくるとは……ジョーカーこの野郎。
ていうか真顔で平手打ちとか結構心にくるね。ティオちゃんショック。
【ジョーカー】
「ほら、くだらないことしてないで。時間なくなってきてるんじゃないですか?」
【ティオ】
「あ、やっべ。んじゃそろそろ行くかなー……。ジョーカーありがとね!」
中身の入った鞄を抱え、自室に向かって通路を走り出す。
本は結構読むほうなので、本棚に苦労はしていない。湿気が多いので管理に困っていたが、まさかこういうところで役に立つとはな……わかんないもんだなぁ。
ぎっしり詰まってる本棚から数冊抜き、隙間を作る。
三つの棚から適当に本を出し、教わった手順通りにスライドさせ不思議図書館への扉を開ける。
途端、本棚から光が溢れそのなかへ引きずり込まれていった。
「だー……しんど」
鞄片手にうろうろする。
今日は休日。みゆきちゃん提案「秘密基地探索」のため朝から呼び出しを食らっている。
秘密基地に自分が持って行きたいものを持ち寄るらしい、が。
特にない場合、非常に困る。
いまだなにも詰まってない鞄を見て、小さくため息を漏らす。
きっとあの子たちのことだ、必ずなにかしら持ってくるに違いない。
そのなかに特に何も持参していなかったら目立つ。変に目立つことは避けたい。
【ティオ】
「えーと、持ち寄るっつったって……なにかあったかなぁ」
ガラケーとスマホを手に取り、心の中でひっそり呟く。
僕は携帯二つ持ちだ。
ガラケーの方をプリキュア用に使用している。
スマホはただの暇つぶし道具。ネットとか開くときに便利なんだなこれが。
この二つは必需品として、上着のポケットにしまう。
あとは適当におつまみでも持っていくか。なにがあったかなー……とりあえずあたりめは持っていこうかなぁ。
ほかにはビールに、チーカマと枝豆を――
スパアン!!
頭をなにか、すばやいものが叩いていった。
痛む頭をとっさに押さえ、頭上を見上げる。
そこには眉をしかめたジョーカーがいた。
【ティオ】
「な、なにをする!?」
【ジョーカー】
「『なにを』?それはこちらの台詞ですよ。なんですかその鞄の中身は」
【ティオ】
「なにって……見てわかんないの!?」
【ジョーカー】
「女子中学生が持ち寄る物ではないこと以外わかりません」
そういわれ、改めて鞄の中身を見る。
・あたりめ(一袋)
・ビール(五本)
・チーカマ(五袋)
・枝豆(五十個入り一袋)
ほほう……なるほど。
【ティオ】
「おっさんかっ!!?」
【ジョーカー】
(自分でつっこんだ……)
なに、いつの間にこんなものを入れていたんだ!?無意識って怖い……。
【ジョーカー】
「いくら実年齢が二十歳を悠に越してるとはいえ、あなたは今花の十台設定なんですよ?」
【ティオ】
「設定とかちょっおまっメメタァ」
【ジョーカー】
「夜に一人寂しく晩酌とかしないでください!疲れてるのもわかりますけど…できることなら控えるようにしてくださいね?」
【ティオ】
「んだよ酒一滴で酔っ払う下戸のくせして!ならジョーカーが僕の晩酌に付き合ってくれんの!?」
【ジョーカー】
「無理です!って、だから晩酌事態やめてください!」
【ティオ】
「やーだー!飲まないとやってらんない!」
【ジョーカー】
「我侭いわないの仕事なんですから!せめて今日から一週間は禁酒ですよ」
【ティオ】
「外道の極みっ!!」
鞄の中身のほとんどを没収された。チーカマは残してくれた。せめてもの優しさだろうか。
禁酒令を出され、駄々っ子の如くゴロゴロ床を転がっていると、顔の横に僕の鞄が置かれた。なぜか中が膨らんでいる状態で。
【ティオ】
「ジョーカー?」
【ジョーカー】
「ほら、ばっちいから早く起きてください」
【ティオ】
「なに入れたのさこr」
【ジョーカー】
「あっ、ちょ、ここで開けないでください」
【ティオ】
「あべしっ!!」
くっ、一瞬で動揺を押さえ冷静に平手打ちしてくるとは……ジョーカーこの野郎。
ていうか真顔で平手打ちとか結構心にくるね。ティオちゃんショック。
【ジョーカー】
「ほら、くだらないことしてないで。時間なくなってきてるんじゃないですか?」
【ティオ】
「あ、やっべ。んじゃそろそろ行くかなー……。ジョーカーありがとね!」
中身の入った鞄を抱え、自室に向かって通路を走り出す。
本は結構読むほうなので、本棚に苦労はしていない。湿気が多いので管理に困っていたが、まさかこういうところで役に立つとはな……わかんないもんだなぁ。
ぎっしり詰まってる本棚から数冊抜き、隙間を作る。
三つの棚から適当に本を出し、教わった手順通りにスライドさせ不思議図書館への扉を開ける。
途端、本棚から光が溢れそのなかへ引きずり込まれていった。