南極に設置されてある観測所の本棚から一度不思議図書館へ戻り、そうして再び本棚を経由して皆の下へ駆けつける。
みゆきちゃんの手から放たれた雪球が、高笑いしていたマジョリーナに直撃した。いい感じの悲鳴も聞こえた。
【星空みゆき】
「皆、遅れてゴメンッ!!」
僕以外の二人は、青ざめた顔でガチガチ震えながらの登場だ。
そんな二人に皆は「凍ってる!?」と驚いていた。
だって南極帰りなんだもん、しょうがないね。
【ティオ】
「さ、皆!」
二人に比べて断然動きに余裕がある僕が皆に呼びかける。
肩を組んで、円陣を作る。
【星空みゆき】
「あのね――」
あの南極での出来事。
みゆきちゃんが僕に右ストレートを炸裂したあの時。
みゆきちゃんは閃いていた。
そう、
決め台詞を――!!
【日野あかね】
「ええやん、それ!」
【黄瀬やよい】
「かっこいー!」
【星空みゆき】
「じゃあ行くよ!」
そう言って、五人はスマイルパクトを取り出した。
一旦円陣から遠ざかる。
全員が変身を完了し、先ほど説明した決め台詞へ入る。
僕も振りつけに関与しているので、正直思い入れがある。
さあ、どうなる!?どきがムネムネするよ!!
「五つの光が導く未来!
輝け!スマイルプリキュア!!」
【ティオ】
「きったぁ〜〜〜っ……!!」
グワシッ……と両手を握り締め、感動に打ち震える。
なるほど、映画の監督とか、役者が合格ラインの演技をしたときの感動ってこういうものなのかもしれないっ……!!
実際、センターのみゆきちゃんも、「きまった……!!」とでも言いそうな輝いた表情をしている。
ドゴオンッ
そんな僕と同じく、感動に打ち震えていた皆にあかんべぇからのミサイル攻撃が。
酷い!決めポーズ直後に攻撃しかけてくるなんて!この悪役!バッドエンド王国!
とんでもない不意打ちを食らった皆はモロに攻撃が直撃したようで、地面に伏していた。
そこへ……空き缶……?が媒体となったあかんべぇが「ノッシノッシ」と近寄る。
大きい足が振り上げられ、今にも踏み潰そうとしている時、今まで僕の横にいたポップがいつの間にか皆の下まで駆け寄っていた。
そして、
ドロンッ!
と、煙をあげて――
【ポップ】
「そうはいかんの、きんぴらでござる!」
――なんか出てきた。なんかでっかいの出てきた!
あれは、なんだろう……プレス機…?
なんかでっかいプレス機出てきた。なにあれ。
声は、なんかせきとりみたいな押しつぶした声だけれど、ポップのものだ。多分、にわかには信じがたいけど、あれはポップなのだろう。どうしてそうなった。
【ポップ】
「どすこーい!」
巨大なプレス機となったポップは、身長はほぼあかんべぇと同じだ。
ポップは張り手の猛攻をし、あかんべぇを押していく。
その間、僕はキャンディーとともに五人の下へ駆け寄った。
【ティオ】
「なにあれ」
【キャンディー】
「お兄ちゃんクル!」
ああやっぱり。
【ティオ】
「何故あのようなことに……」
【キャンディー】
「お兄ちゃんの『変化の術』クル!」
あやつ、忍びの者か。Oh……Japanys☆NinJa……。
そうこうしていると、ポップはプレス機の役割を果たしていた。
つまり、プレス機となった己自身を使って空き缶のあかんべぇをはさんでいた。
【ポップ】
「さあ!反撃でござる!」
プレス機にはさまれたあかんべぇは、抜け出せないようで手足をジタバタ動かしもがいている。
【星空みゆき】
「よーし!行くよ皆!」
みゆきちゃんの掛け声で、ようやく回復した皆がしゃがんでジャンプ前の姿勢をとる。
1、2の3のテンポで飛び上がり、皆でタイミングよくヒップアタックをしてプレス機を押した。
綺麗に閉じたなぁ……。
開いたときには、これまた綺麗にぺちゃんこになったあかんべぇが、ヒョロヒョロと立ち上がった。おぼつかねえな。
【キャンディー】
「ハッピー!今クル!」
キャンディーの掛け声で気合を貯めだすみゆきちゃん。
【星空みゆき】
「プリキュア!ハッピーシャワー!!」
みゆきちゃんの必殺技が繰り出され、それがあかんべぇに直撃する。
あかんべぇは例の如くヘブン状態となった後、キュアデコルへと姿を変えた。
眼前の明らかな敗北に、マジョリーナは悔しそうに顔を歪め、「覚えてろだわさ!!」と叫んで帰っていった。
キュアデコルがみゆきちゃんの手の中へ収まった事を確認すると、
【ティオ】
「さ、みゆきちゃん」
と呼びかけ、横のポップへ促した。
ポップは「うむ」と言わんばかりに頷くと、デコルデコールを差し出し、
【ポップ】
「ではここに入れるでござる」
と蓋を開けた。
はめられたデコルを見る。
なるほど、もう六つもこっち側に回ってしまったか……。
ちょっとハイペースすぎやしないかなぁ。大丈夫かなぁ?
【緑川なお】
「それにしても助かったよポップ」
【日野あかね】
「化けられるなんてなぁ」
【青木れいか】
「かっこよかったです」
あ、れいかちゃんその言葉ちょっ――
【ポップ】
「か、かっこいい……」
あ、遅かったか。
【ポップ】
「い、いや、拙者は別にンゴァッ!!」
あの時のように高速で後ろへバックし、ベンチに頭を強打するポップ。
かっこいい言われる度にああなってるんだとしたら、不憫な性質をもってるなぁポップ……。
みゆきちゃんの手から放たれた雪球が、高笑いしていたマジョリーナに直撃した。いい感じの悲鳴も聞こえた。
【星空みゆき】
「皆、遅れてゴメンッ!!」
僕以外の二人は、青ざめた顔でガチガチ震えながらの登場だ。
そんな二人に皆は「凍ってる!?」と驚いていた。
だって南極帰りなんだもん、しょうがないね。
【ティオ】
「さ、皆!」
二人に比べて断然動きに余裕がある僕が皆に呼びかける。
肩を組んで、円陣を作る。
【星空みゆき】
「あのね――」
あの南極での出来事。
みゆきちゃんが僕に右ストレートを炸裂したあの時。
みゆきちゃんは閃いていた。
そう、
決め台詞を――!!
【日野あかね】
「ええやん、それ!」
【黄瀬やよい】
「かっこいー!」
【星空みゆき】
「じゃあ行くよ!」
そう言って、五人はスマイルパクトを取り出した。
一旦円陣から遠ざかる。
全員が変身を完了し、先ほど説明した決め台詞へ入る。
僕も振りつけに関与しているので、正直思い入れがある。
さあ、どうなる!?どきがムネムネするよ!!
「五つの光が導く未来!
輝け!スマイルプリキュア!!」
【ティオ】
「きったぁ〜〜〜っ……!!」
グワシッ……と両手を握り締め、感動に打ち震える。
なるほど、映画の監督とか、役者が合格ラインの演技をしたときの感動ってこういうものなのかもしれないっ……!!
実際、センターのみゆきちゃんも、「きまった……!!」とでも言いそうな輝いた表情をしている。
ドゴオンッ
そんな僕と同じく、感動に打ち震えていた皆にあかんべぇからのミサイル攻撃が。
酷い!決めポーズ直後に攻撃しかけてくるなんて!この悪役!バッドエンド王国!
とんでもない不意打ちを食らった皆はモロに攻撃が直撃したようで、地面に伏していた。
そこへ……空き缶……?が媒体となったあかんべぇが「ノッシノッシ」と近寄る。
大きい足が振り上げられ、今にも踏み潰そうとしている時、今まで僕の横にいたポップがいつの間にか皆の下まで駆け寄っていた。
そして、
ドロンッ!
と、煙をあげて――
【ポップ】
「そうはいかんの、きんぴらでござる!」
――なんか出てきた。なんかでっかいの出てきた!
あれは、なんだろう……プレス機…?
なんかでっかいプレス機出てきた。なにあれ。
声は、なんかせきとりみたいな押しつぶした声だけれど、ポップのものだ。多分、にわかには信じがたいけど、あれはポップなのだろう。どうしてそうなった。
【ポップ】
「どすこーい!」
巨大なプレス機となったポップは、身長はほぼあかんべぇと同じだ。
ポップは張り手の猛攻をし、あかんべぇを押していく。
その間、僕はキャンディーとともに五人の下へ駆け寄った。
【ティオ】
「なにあれ」
【キャンディー】
「お兄ちゃんクル!」
ああやっぱり。
【ティオ】
「何故あのようなことに……」
【キャンディー】
「お兄ちゃんの『変化の術』クル!」
あやつ、忍びの者か。Oh……Japanys☆NinJa……。
そうこうしていると、ポップはプレス機の役割を果たしていた。
つまり、プレス機となった己自身を使って空き缶のあかんべぇをはさんでいた。
【ポップ】
「さあ!反撃でござる!」
プレス機にはさまれたあかんべぇは、抜け出せないようで手足をジタバタ動かしもがいている。
【星空みゆき】
「よーし!行くよ皆!」
みゆきちゃんの掛け声で、ようやく回復した皆がしゃがんでジャンプ前の姿勢をとる。
1、2の3のテンポで飛び上がり、皆でタイミングよくヒップアタックをしてプレス機を押した。
綺麗に閉じたなぁ……。
開いたときには、これまた綺麗にぺちゃんこになったあかんべぇが、ヒョロヒョロと立ち上がった。おぼつかねえな。
【キャンディー】
「ハッピー!今クル!」
キャンディーの掛け声で気合を貯めだすみゆきちゃん。
【星空みゆき】
「プリキュア!ハッピーシャワー!!」
みゆきちゃんの必殺技が繰り出され、それがあかんべぇに直撃する。
あかんべぇは例の如くヘブン状態となった後、キュアデコルへと姿を変えた。
眼前の明らかな敗北に、マジョリーナは悔しそうに顔を歪め、「覚えてろだわさ!!」と叫んで帰っていった。
キュアデコルがみゆきちゃんの手の中へ収まった事を確認すると、
【ティオ】
「さ、みゆきちゃん」
と呼びかけ、横のポップへ促した。
ポップは「うむ」と言わんばかりに頷くと、デコルデコールを差し出し、
【ポップ】
「ではここに入れるでござる」
と蓋を開けた。
はめられたデコルを見る。
なるほど、もう六つもこっち側に回ってしまったか……。
ちょっとハイペースすぎやしないかなぁ。大丈夫かなぁ?
【緑川なお】
「それにしても助かったよポップ」
【日野あかね】
「化けられるなんてなぁ」
【青木れいか】
「かっこよかったです」
あ、れいかちゃんその言葉ちょっ――
【ポップ】
「か、かっこいい……」
あ、遅かったか。
【ポップ】
「い、いや、拙者は別にンゴァッ!!」
あの時のように高速で後ろへバックし、ベンチに頭を強打するポップ。
かっこいい言われる度にああなってるんだとしたら、不憫な性質をもってるなぁポップ……。