氷る猫の暗躍 | ナノ
07.決め台詞とか決めてみる
ッッハー!!


安堵のため息を心の中で吐き出す。
ここまできて絵本がまだ白紙ということ。それはつまり、僕が身バレする危険性が0ということだ。ハラハラしたぜ……。



【青木れいか】
「つまり、あの狼さんたちが世界をバッドエンドにしようとしていて、わたしたちプリキュアがそれを阻止する……」


【緑川なお】
「そしてキュアデコルを集めて……」


【星空みゆき】
「メルヘンランドの女王様を復活させる!」


【黄瀬やよい】
「わたしたちはスーパーヒーローってわけね!」


【日野あかね】
「ひーとーり、おかしなこと言っとるで」



今までの話を聞いて、皆がそれぞれ声に出して確認しあう。あかねちゃんの言うとおり一人認識のおかしい人がいたが。
……いやでも、あながち間違いってわけでもないかもしれない。
正義と悪で例えるなら、僕たちバッドエンド王国は名に恥じない悪役だろう。自然とプリキュアはヒーロー枠だ。
それならスーパーヒーローもはっきり不正解と言えないんじゃなかろうか。
まぁこの子たちは女の子なので、ヒーローよりヒロインのほうが合ってるんだけど。




【日野あかね】
「よっしゃあ!それじゃあ皆で気合入れよか!」


【星空みゆき】
「あ、待って!まだ大事なこと決めてない!ね、ティオちゃん」


【ティオ】
「お、おう!」



とっさに返事をしたが、大事な事とはなんだろうか。




【日野あかね】
「なんや?」


【星空みゆき】
「決め台詞!」




今のみゆきちゃん→(`・ω・´)キリッ




【日野あかね】
「……なんやそれ?」


【星空みゆき】
「決め台詞だよ!折角プリキュアが五人揃ったんだもん!この間ティオちゃんが言った通り、変身した後皆で言う決め台詞を決めようよー!」




し、しまった。この間僕がとっさに言ったごまかしがまさかのフラグになっていたなんて……!!




【日野あかね】
「どうでもいい」


【緑川なお】
「すこぶるどうでもいい」




何故だ。何故僕にまで冷たい視線が降り注ぐ。




二人の絶対零度に、みゆきちゃんと二人で涙していると不意に肩を叩かれた。
後ろを振り向くとやよいちゃんが目を輝かせてこちらを見つめていた。
あ、あたたかい……!!

ハイテンションでクルクル回るみゆきちゃんとやよいちゃんを放置して、れいかちゃんに近寄る。




【ティオ】
「れいかちゃんはどう思う?」


【青木れいか】
「確かに、決め台詞は団結には重要かもしれませんね」




賛成派が四人になったところで、ポップの「よくわからんが、はよ決めろ(要約)」というとどめの台詞に、ついにあかねちゃんとなおちゃんが折れた。




【緑川なお】
「仕方ない!」


【日野あかね】
「やるならやったろかー!」


「「「おー!!」」」




と、いうわけで決め台詞を決めるレッスンが始まりました。




 
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