氷る猫の暗躍 | ナノ
05.サッカーとかしてみる
河川敷の下で子供たちがサッカーをして遊んでいる。
一番上の姉がサッカー大好きだもん。影響されて自然と皆も好きになるよね。
僕たちは土手に座り、心地よい風を受けながら話していた。



【緑川なお】
「星空さん、片付けまで手伝ってもらっちゃってありがとうね」



なおちゃんがみゆきちゃんにお礼を言う。
僕に対してもお礼とか…無いですよね。わかります。



【星空みゆき】
「こちらこそ!お昼ご馳走様。美味しかったー!」


【ティオ】
「なおちゃんの料理は絶品やでー」



茶化すようにいうと、「からかうなw」と肘でわき腹を小突かれた。
そんな僕たちにみゆきちゃんは面白そうに笑いかけ、



【星空みゆき】
「緑川さんは偉いなー。兄弟の面倒、ちゃんと見て」


【緑川なお】
「そんなの当たり前だよ」



みゆきちゃんのそんな言葉になおちゃんは笑い返す。



【緑川なお】
「一番上のお姉ちゃんだもん!それに、弟たちといると楽しいし。あたし、家族が大好きなんだ」



きっと、本当のことを言っているのだろう。彼女の目は真っ直ぐしている。



【ティオ】
「家族、か……」



なんとなく、わかった気がする。
彼女と僕が仲良くなれた理由。
根本で好きなものが一緒なんだ。
僕も、家族が大好き。
そういう意味で、僕と彼女は同類だったのか。



【星空みゆき】
「やっぱり決まり!!」


【緑川なお】
「え?」


【星空みゆき】
「あのね!一緒にやってほしいことがあるの!」



いきなりそんなことを言い出したみゆきちゃんに、なおちゃんは「え……?」と不思議そうな顔をしていた。やっぱりそうなるよね、いきなりだと。僕もいきなりあなたに「仲良くなりたい!」と言われたときは正直そんな顔をしたいと思いましたよ。
遠いあの時(つい最近)を思い出していると、「おーい」と遠くからまたしても友人の声がした。



【日野あかね】
「ごめん!遅なったわ」


【緑川なお】
「あかね!やよいちゃん!?」


【黄瀬やよい】
「お待たせー」



意気を切らせるやよいちゃんの背中をさすってやる。インドアは辛いよ。



【星空みゆき】
「わたしが誘ったの!」


【緑川なお】
「え?」


【星空みゆき】
「皆で遊べば、もっとウルトラハッピーかなって!」




微笑むみゆきちゃんに、一瞬「ポカン」とした表情をしていたなおちゃんは、すぐに破顔し、「ありがとう」と言った。




 
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