氷る猫の暗躍 | ナノ
04.美化ポスターとか手伝ってみる
画材提供、というわけで画材を貰いにあの人のところへ行ってきた帰り。
両手いっぱいと言っても過言じゃない量を持って校舎内を歩いている。



「猫乃目さん?」


【ティオ】
「ん?」



後ろから声がかけられた。
この声は……青木ちゃんかな?



【ティオ】
「んー?どしたの青木ちゃん」


【青木れいか】
「いえ、その荷物はどうしたのかと……。あっ、わかりました。黄瀬さんへの画材提供ですね?」


【ティオ】
「ピンポーン。正解!よくわかったねー」


【青木れいか】
「ふふっ、さっき屋上で星空さんたちが黄瀬さんのお手伝いをしているのを見てきたところなんです。猫乃目さんは星空さんたちと仲がよろしいので、もしかしたらと思いまして」


【ティオ】
「すごい推理力だね……」



青木ちゃん
もしかしなくても:頭いい



【ティオ】
「青木ちゃんもこの時間までどうしたの?委員会?」


【青木れいか】
「はい、美化コンクールの打ち合わせです」


【ティオ】
「学級委員も大変だねぇ」


【青木れいか】
「いえ、やりがいがあって楽しいです」



こういう真面目っ子って本当にいるんだなぁ……。
しみじみ思っていると、青木ちゃんはハッとした顔になり、



【青木れいか】
「すみません、重い荷物を持っているところを引きとめてしまって……。よかったら半分お持ちしましょうか?」


【ティオ】
「んーん、大丈夫!僕も青木ちゃんと話せて楽しかったよ。それに、かわいい女の子に荷物持たせるなんて、僕のポリシーに反するからノーセンキュー!じゃ、またね」



適当に話を切って歩き出す。
青木れいかちゃん。あの推理力やら頭のよさやら……。ちょっと、やりづらい相手かもしれない。
屋上の重い扉を押し開けながら考える。



【ティオ】
「持ってきたよ!」


【日野あかね】
「うっわ!なんやその量!」


【ティオ】
「どれがいいのか、僕にはよくわからなかったからねー。とりあえず持って来れるだけ持ってきた!」


【黄瀬やよい】
「あ、ありがとう……!すごい、どれも新品!」


【ティオ】
「長年放置してたからちょっと心配だけど」



嘘です。今日作られたものを持って来てるので新品です。
僕がたずねたあの人は、『作る』ことに特化した人だからね。
できるかどうかわからなかったけど、黄瀬ちゃんに協力することになって一応その人に連絡を入れてみたら「作ってみるからすぐに取りに来い」というものだった。
さすがに連絡して数分で作るなんて無理だろーと半信半疑で行ってみたらこの量だよ。相変わらずのハイスペックにびっくりです。



【ティオ】
「必要なだけ取ってくれたらあとは持って帰るから」


【黄瀬やよい】
「うん!えっと、これとこれと……」



ちなみにこうして黄瀬ちゃんが画材を選んでいる最中。
みゆきちゃんはあのキツいポーズのまま律儀に待ってくれてました。すまんみゆきちゃん。



 
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