氷る猫の暗躍 | ナノ
03.バレーの試合とか見てみる
放課後。
バレー部を見に来たが……



【星空みゆき】
「あれ……?」



日野ちゃん、不調が続きまくりで終わってしまった。
コート内で何とも言えない表情の日野ちゃんが俯いている。
困ったような顔でみゆきちゃんがこちらを見てきた。




【ティオ】
「……誰だって、順調にことが運ぶなんて事はないんだよ。大丈夫、日野ちゃんなら」


【星空みゆき】
「うん……」




結局、日野ちゃんに声をかけられず帰路についてしまった。
夕焼けに染まる河川敷を歩く。




【星空みゆき】
「日野さん……悔しそうだったね」


【ティオ】
「うん……。日野ちゃんなら大丈夫だろうけど、なんとか元気づけてあげたいよね」


【星空みゆき】
「うん……あっ」




バシン!と何かを叩く音とぶつかる音が聞こえてきた。
音のした方向を見ると、日野ちゃんがバレーボールを何個か用意して、壁に向かってアタックの練習をしていた。
数回、アタックをしていたが、息を切らせたかのように肩を上下させながら膝に手をついた。
そして、落ちる数個の水滴。




【星空みゆき】
「泣いてる……!!ここは、わたしが……!!」


【ティオ】
「ちょっ、みゆきちゃん?」


【星空みゆき】
「おーい!!日野さー……うわああああ!?」


【ティオ】
「みゆきちゃあああああん!!」


【日野あかね】
「星空さん!?」




石に躓き、顔面から坂道を滑り落ちるみゆきちゃん。相変わらずやれば出来る子だ。




【ティオ】
「無事かあああ!!」


【日野あかね】
「大丈夫かいな!?」


【星空みゆき】
「へーき……それより日野さん!元気だして!」


【日野あかね】
「へ!?」




ダメージを感じさせない俊敏さで立ち上がり、いきなり日野ちゃんてきにはわけの分からないことを言い始めたみゆきちゃんに目を白黒させる。




【星空みゆき】
「泣いてると、ハッピーが逃げちゃうよ!スマイルスマイルッ」




そう言って笑ってみせるみゆきちゃんに、日野ちゃんは「あー」とか「えっとー」とか……とにかく言いにくそうなそぶりを見せた。




【日野あかね】
「うち……泣いてへんけど」


【星空みゆき】
「ええ!?でも、さっき地面にポタポタポターって!」


【日野あかね】
「それ汗やでー」


【星空みゆき】
「汗ぇ!?」


【ティオ】
「やっぱりかー」


【星空みゆき】
「やっぱりかーって……ティオちゃんわかってたんなら教えてよー!」


【ティオ】
「教える暇もなく顔面ダイブしたのはどこの誰ー?」


【星空みゆき】
「うぅ……はっぷっぷー……。でもよかったー、てっきり試合のことで落ち込んでるのかと……」




なんていいながら頭をかくみゆきちゃんに日野ちゃんは優しく微笑みかけ、




【日野あかね】
「うちは落ち込んだりせえへん。今うちに必要なんは特訓や特訓!」




と、拳を振り上げ明るく返事をした。




【星空みゆき】
「それなら私も手伝う!」


【ティオ】
「かかってこーい!」


【日野あかね】
「うちは誰にも頼らへん!……って、いつもなら言うところやねんけど、……お願いしようかな」











【ティオ】
「うおおおおおおおおお!!!!」


【日野あかね】
「気合が足りんわああああああ!!!!」


【星空みゆき】
「うわああああああああっっ!!!!」



特訓は思った以上に白熱していつの間にか夜になっていました。



 
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