タイトルなくしました | ナノ

ただありったけの愛を貴女に


【Chell、恨んでますか……?】

「なに?私の出自のこと?」

【えぇ…まぁ……】


あらあら黙っちゃってまぁ…

なんで今更そんなことを気にしだしたのやら…。あ、もしかしてキャロラインのデータでも見付けたのかな?


「どうしたの?急に。それに随分今更な質問だよね」

【……すいません】

「…………。恨むもなにも、仕方無いじゃない。造っちゃったんだから」


GLaDOSと、GLaDOSの中のキャロラインが

そう言うとGLaDOSはもう一度すいませんと謝って、黙り込んでしまった


「あのさぁ」


深く息を吐いて遊んでいたタレットを床に下ろして、チキンにゆっくり近付く


「GLaDOSはどっちがいいの?」

【はい…?】

「私に恨まれたいの?"実験"って言いながら使い捨ててきたたくさんの"私"に道徳コアが罪悪感でも感じた?それとも」


"私"が怖くなった?


【そんなこと!……ないですよ。ただ…】

「ん?」


ただ、聞くのが怖くて、知ることが怖くて、ずっとずっと聞けなかったんです

小さな声で一生懸命伝えてくれたGLaDOSはAIだというのに素晴らしく人間的な感情で悩んでいたらしい
この子も中々にアホなんだなぁって認識を改めてしまったじゃない


「少なくとも今GLaDOSの目の前にいる私はさ、造られて、生まれてきて良かったって思ってるよ」


生まれなかったら、出会えなかった

生まれなかったら、話せなかった

生まれなかったら


「GLaDOSを好きになれなかった」


だから私は


「GLaDOSもキャロラインも恨んでないよ」





[ただありったけの愛を貴女に]


「おかーさんって呼ばれたいの?」

【からかわないで下さい!】


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