タイトルなくしました | ナノ

意地っ張りなチキン

「……はぁ……はぁ…」


おかしい。何時にも増して今日は身体が思うように動かない


「……っ!」


着地の衝撃はシューズが吸収してくれるけど、体制が保てない


「………な…んで…」


視界がぶれる。うまく一歩が踏み出せない


「……っ…はッ…」


吐いた息がひゅーひゅーと音を出し始めた。頭も重い…なんなんだ…


「………っっ」


もう…むりだ……

視界に迫る床を最後に、意識を手放した




GLaDOSの焦った声が聞こえた気がした






□□■□■■


テスト中にChellが倒れた。原因は恐らく疲労と熱中症。今はタレット達が面倒を見ている


【……】


私は正直…自分が腹立たしい。チェンバー内はすべてモニターしていた。にもかかわらず、Chellの体調の変化に気が付けなかった


【……はぁ…苛立っても仕方がありませんよね…】


いつからかなんてもうどうでも良くなった

いつのまにかChellをカメラで追うようになって、今みたいに、倒れたり、怪我をするChellを見たくないと思うようになった

バグデータ、なんて言葉で逃げるのは簡単。薄々は気付いてる。けど、認めたくない。無機物で作られたボディに人工知能のAIの私が、たかが被験者の人間に惹かれているなど…認めたくは、ない

そう、これはただの


【私の意地…ですよね…】






[意地っ張りなチキン]


早く起きて…私のテストに付き合って下さいよ、Chell

私の意地を崩せたら、それでテストは終了ですから…


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