蒼空がなくても幸せはある
「……おいおい嘘でしょ…あり得ないってこんなの…!!」
へろーへろー。My name is Chell.
GLaDOSのことが愛しくてたまらないだけが取り柄の極々ありふれてる……よね…?たぶん
探せばいる、どこにでもいるような人間。性別は女。年齢は言えないけど子供ではない
「……んだけど…なんなの、これは」
鏡並みに物を写す壁に、ちっちゃい女の子が写ってんだけど…
目線がぴったり私と一緒なんだけど…
不審に思って壁についた手がくっそみてぇにちっちゃいんだけど…
「ご丁寧にまぁ、声まで高くなってくれちゃって…一体何がなんだか…」
昨日なんかしたっけかなー
「あー、考えんのやーめた。お腹減ったー、ぺっこぺっこぷー」
きょーぉのーごっはんーはなぁーんだぁーろなぁー!
「ぐーらーぐーらーGLaDOSー」
【おはようございます、Chell。今日の朝食は無難にオイルとナットとバッテリーです】
オイル、機械や歯車などの滑油。食べるな危険
ナット、よくある部品。鉄なんか食えるか
バッテリー、車や電子機器等を動かすための動力源。食べれるはずがない
「……」
私にどうしろと?
【冗談です。ジョークです。ウソ、ホントじゃありません。こういうときはトランプゲームのようにDoubt!!と言っていただいて構いませんし、むしろ言ってください。もう一度言います。ただの、単なる、ほんの、お茶目な、ジョークです。ですので、そんな絶望に満ちた顔をしないでください。お願いします】
「……真面目にフリーズしちゃったじゃない」
【ですから、それについて先程謝罪したじゃありませんか。ほら、これが今日の朝食ですよ】
ゴトッ、というとても重量感のある効果音を響かせ、私の目の前に「朝食」として出されたものは…
「……バケツいっぱいのセメントってどうよ?え、これ本気でやってんの…?私がおかしいの?あれ?」
【いえ、ただの冗談です】
「……今日ってAprilfoolかなんかだっけ…?」
いつもよりボケがスッ飛んでるぜ?GLaDOSちゃんよぉ…
おねーさんなんだか頭痛くなってきちゃったよ、マジで
【セメントは置いとくとして、今日の朝食は思考を凝らs】
「はーんーぐーりーいー!!ぺっこぺこ!I am hungry!おふざけいらない、おっけ!?」
【……………】
「おいGLaDOS…今何を片付けた……?」
【……ケーキです】
「わ、わーお…朝からヘビーね……」
今日のGLaDOS……なんというか…最初からクライマックス
なになになんなの?今日は何の日なわけよ…
「グラちゃんよ…」
【どうされましたか?】
「今朝から気になってたんだけどさぁ、なんで私の身体が幼児退行してるわけ?」
【ああ、5/5にちなんでですよ】
「いや、意味わかんねぇし…」
あー、えっと…端午の節句?とかなんとか言ってたけどよくわかんなかった
子供の成長がどうのこうのとも言ってた気がするけどやっぱりよくわかんなかった
ただ、おやつにもらったお餅が美味しかったとだけ、言っておこうか
[蒼空がなくても幸せはある]
「あれ?今気付いたんだけどさ…性別…」
【知りませんよ、聞きませんよ】
「……おいぃ…」
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