タイトルなくしました | ナノ

帰ってきた人でなし

  
「久しぶり、GLaDOS」

【もう二度と来ないでと言ったのに。貴女という人は…】

「生憎と、私は人の言うことを真面目に聞くようなイイコじゃないんでね」

【そのようですね。それで?此処には何をしに?またテストに付き合っていただけるんですか?】

「GLaDOSに会いに来た」

【……は?】

「いや、だから会いに来た」

【ちょっと待ってください、話が見えないんですが】

「親友に会いに来ちゃいけないの?」

【確かに私は貴女を『親友』と呼びましたが】

「じゃあいいよね」

【…………人でなしですか。貴女は】

「久しぶりに聞いたわー、その言葉」

【なぜ再び私に会おうと思ったのですか…。一度は貴女を殺そうとしたというのに】

「んー?なんだかんだ言って私GLaDOSの事好きだし。GLaDOSも私の事、嫌いじゃないみたいだし」

【………は?】

「あれ?違った?」

【どうでしょう。わかりません】

「自分の事なのに?」

【そのようなコアは与えられていなかったので】

「……ケーキは好き?」

【大好きですね】

「じゃあ私は殺せる?」

【殺せませんね】

「なんで?」

【友を殺すことなど私には到底できませんよ】

「それって『好き』とどう違うんだろうね?」

【さあ?私にはわからない問です】

「じゃあ一緒に考えよっか」

【…どういう意味ですか?嫌な予感がするのですが】

「え、私と一緒にいるの嫌なの?」

【そうは言っていないでしょう!?】

「じゃあこれから私と一緒にいてくれるよね?」

【…………好きにしてください】

「そうさせてもらう、わっと」

【何をしているのですか】

「何って…見てわかるでしょ?出口壊してんの」

【行為についての質問ではなくて、意図について伺ったのですが】

「ああ、なんだ。私が外に行けなくなればGLaDOSはもう寂しくないでしょ?」

【……本気ですか?】

「当たり前でしょ?」

【…最初のテストの時からですけど、貴女には驚かされっぱなしですよ】

「GLaDOSと私じゃ寿命が違いすぎるけど、せめて私が死ぬまでで良い。一緒にいてよ」

【自分勝手な方ですね…】

「そりゃどーも」

【誉めた覚えはありませんよ】

「ところでGLaDOSお願いがあるんだけど」

【無視ですか。酷い人ですね、この人でなし。ですが私は優しいので聞いてあげましょう】

「ケーキが食べたいな、GLaDOSが作った」

【はい?】

「ほら、テスト中に言ってたじゃない。ご褒美にケーキ、くれるんでしょ?私今お腹すいてんのよ。I am hungry.おっけ?」

【とことん自分本意ですね!貴女は!!】

「それだけが私の取り柄かな」


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