感想
「スイカ割りがしたい。」
そんな鍵さんの言葉と、今回の話で思い出した事があります。
いとこと一緒に海に行ったときの事です。
――スイカ割りをしよう。
そういっていとこがスイカを掲げ、母がブルーシートを広げていました。
「スイカ割りか、バットか木の棒で割るのかな。でもそんな物見当たらないな?」
なんて思っていたら、隣にいた兄が悠然とスイカまで歩を進めました。
いとこが、「じゃあ、お願いします」といつもタメ口なくせに敬語。
威風たっぷり頷く兄。
そうして、天高く拳をふりあげ――
メシャアッ
スイカ、粉砕。
なんか私の知ってるスイカ割りと違う。
同い年の、もう一人のいとこと複雑な顔をしながら、歪な形になったスイカを食べた七歳の時――
私「という話を思い出したんだ」
鍵「さようで」
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