人でなしの恋 | ナノ


part2

キューブを強化超衝突スーパーボタンに置くと出口の扉が開いた。
俺は悠々と消去グリッドをくぐる。





【素晴らしい!その豊満で健康的な体で足場の少ない場所を走るシカのような動きは見事でした】





GLaDOSの言葉にデレデレしながらエレベーターに乗る。
こうして俺がテストをする被験者になってから数日程が過ぎた、らしい。詳しい事はわかんね!
まぁ、どうして俺が被験者になったかなんていうまでもない!GLaDOSとこうして共に生活ができるからだ!!
あのときの即決はわれながら天晴れだったなあと、つい数日前を思い出す――





******





【テストは一旦中断です。あなたについて質問しますが、よろしいですか?】


「OK!命に代えても!」




ロボットさん二人と一緒に適当な段差に腰掛けアナウンスに答える。
んー、素敵な声だなぁ。




【では、まずあなたはどこの誰でしょう?】


「日本の一般的な高校に通う男子高校生です!ついさっき親族を殺ししてきました!こんな俺でも受け入れてもらえますか!?」


【そうですか。ちなみに……いったいいつごろの生まれですか?】


「2010年代ですかね!俺年の差は気にしません!」


【なるほど…そうなると、あなたは過去からやってきたことになりますね】


「へっ、過去?じゃあ俺が年上!?年下でも構わないどんとこい!!」


【言っておきますが生きている年数は断然私の方が上です。一時期死んでいましたがね】


「生き返った体でも構わない!」


【どういった経路でここに来たか、心当たりはありますか?】


「……そうだなぁ…」



俺は親族を殺した後、そのまま犯行を行った凶器片手にフラフラ帰路についていた。
そして線路をわたろうとしたときサイレンが鳴りだし、早く渡りきろうとしても何故か足が動かなかった。
そのままボーっと立っていて、電車に轢かれたと思ったらここに来ていた。



「……というわけです」


【……つまり、あなたにもわからない。というわけですね?】


「うん。まぁ、運命だとは思うけど!!」


【そうですか。……タイムトラベル、ですね】


「タイムトラベルかぁ……ファンタジックだねー」


【考えられる中で挙げるのなら、一種のゲートではないでしょうか。あなたは電車に轢かれるという衝撃や気温など、なんらかの条件が奇跡的に揃い、一瞬未来へのゲートが開き、偶然あなたはその中に飛び込んだなど、そのように考えられます。あなたが話した状況では、タイムマシンなどないでしょうし、あなたに超能力など、そんな超常的な力が備わっているようには見えませんからね】


「難しいことはわかんねっ(*゚∀゚*)」


【…………】




ゴスッ(壁の一部に開けられた穴から投げられた加重格納キューブが命中する音)




「愛が痛ぐふぁっ!?」


【たしかにあなたのような頭の出来が悪そうな人には理解し難いでしょうね】


「ごもっともです」


【つまりですね……】


「すいません巻きで」


【…………】




ゴスッ(二度目の加重格納キューブ)




「ごめんなさい聞きます」


【最初からそうしてください。つまり、あなたはいまよろしくない状況に置かれています。今は正確な年表がないため詳しい日付などはわかりませんが、あなたは今からかなり昔の過去から来たということは確かです】


「え、マジで」


【本当ですよ。どういうことかわかりますか?あなたは今天涯孤独ということです。非常に哀れで笑えません】


「なるほどー」


【……あなたは自分の状況を理解していますか?のんきに構えているようにしか見えません】


「まぁ、なんとかなると思ってるよ。変に考えて焦っても仕方ないでしょ?まぁ、死んだら死んだで俺はそこまでの人間だったってことだよ」


【……そうですか】


「そうですとも。好きです付き合ってください」


【嫌です】


「(´・ω・)……シュン」


【口で擬音を出さないでください。……そうですね、今あなたに二つ選択肢を用意しました】


「えっ、なに?結婚?それとも恋人?」


【寝言は寝てからおっしゃってください。一つは、ここで被験者となり、死ぬそのときまでテストをするか。それとも、今ここで死ぬか。この二択です】


「……ここで、死ぬまで……」


【ええ、そうですよ】


「(つまりお姉さんと死ぬまでここにいられるっていう……結婚できなくても生涯をともにできるっていうそういうことか……!!)←0.3秒間で考えた




ぜひここで俺を被験者として置いてやってください」




【おや、素晴らしい即決ですね。少々驚かされましたよ】


「いやぁ(テレテレ)」


【では、テストをしましょう。あなたはこちらへ行って被験者用のジャンプスーツに着替えてください。オレンジとブルーはテストを続行してください】




ロボットさん二人に手を振ってから、壁から現れた新しい通路へ向かう。




「そうだ、ちょっといいかな?」


【はい、なんでしょう?】


「あなたのことはなんて呼べばいい?まだ名前を聞いてなかった」


【私のことはGLaDOSと呼んでください】


「了解!じゃあGLaDOSさん!改めて結婚を前提にお付き合いを!」


【お断りします】


「めげないもの!」


【早急に諦めてください】





めげぬ!退かぬ!省みぬ!!





(どう?似合う?)
(ええ、とてもお似合いですよ。そうですね、このような場合に適切な言葉が日本にはありましたね……そう、「馬子にも衣装」と)
(;ω;)
(泣かないでください。ほんのジョークです)
(;∀;)

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