人でなしの恋 | ナノ


part15

【このオレンジのジェルは推進性ジェルというものです。ジェルをかけた場所の摩擦が少なくなり、床にかければすばやく移動できるでしょう。くれぐれも勢いあまって転落しませんようご注意ください】


「はーい」



上の排出口から垂れてきているオレンジのジェルを見ながら説明を受ける。
わぁ、なんか美味しそうな色してるなぁ。
……食べないよ!?そこまでバカじゃないよ!



「わっ、すごい!これスケートしてるみたい!」



ためしに滑ってみたらすごいね!すっごい滑るよ!
妹と昔スケートに行ったときのこと思い出すなぁ。
……ちゃんと、元気にやってるかな…。




「って、あ」




もの思いにふけって現在状況忘れてた。
そういや今推進性ジェルすべってたんだっけ。
小さい段差に引っかかっちゃったよ。
いや軽く言ってるけど推進性ジェルのせいで勢いを殺せな――!?




ゴンッ!!




【ハハ、見事な転びっぷりでしたね。思わず見とれてしまいましたよ】



シーン……



【十分ジェルも堪能したことでしょうし、さぁ、テストに戻ってください】



シーン……



【? もしもし?】




「…………」




【……きっ、気絶している……!!】





後頭部はいたわってあげよう。ぶつけるとすっげえ痛いから





(はっ!!)
(気がつきましたか)
(俺は、なにを……!!)
(この流れ前回もしましたよね。もういいです。それはもうウンザリです。テストに戻ってください)
(うん、ぶっちゃけ俺も同じネタ二回も使いたくないからいいや)

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