Last part
※ドリ系の人注意。というか擬人化嫌いな人注意。
「…………」
目の前のあかが薄くなっていく。
ようやく目を開けられるくらいになってきたな。
恐る恐る目を開けてみる。
するとそこには何が広がっているんでしょうか――!?
ドガッ!!
「おうふ!?」
確認する前にタックルの勢いで何かがぶつかってきた!?
い、いや……抱きついている?
「え、えっと?」
誰かと思って触ってみたら、女性特有のやわらかさがあった。
なんか、あるはずのもっとやわらかいものはないようだけど、感触は女性だ。
あ、良い匂い。
「? ん?」
視界の隅に白い髪の毛が見える。高齢の人?いやでもやわらかさ的にまだ若いよね。
というか今はどういう状況なんだろう。
俺が予想してたのと違う。
もっとこう、お墓の中からのスタートとか、霊安室からのスタートとか考えてた。
それか電車に轢かれる一瞬前とか最悪のこと考えてたりした。
なのに、目覚めた瞬間女性に抱きつかれるし、良い匂いに包まれるし、なんだろう、一言で表すならそう。最高。
「……あ、」
よくよく見渡してみたら、なんか見知らぬ顔がいっぱいいる。
え、誰この人たち。俺リンチされんの?
もしかして今抱きついている人って羽交い絞めしようとしてるだけ?なにそれひどい!ひとの気分を上昇させて絶望に落とすなんて!上げて落とす戦法!?
ん?なんか見知った顔いない?
俺の妹っぽい人いない?
髪短くなってる!!?なんで!?いや似合ってるけど!どうしたの!?やっぱ俺がいない間になにかあったんだな!!そうなんだな!!どういうことだ!!なにがあってそうなった!誰か説明キボンヌ。
「フフ」
なんて一人焦っていたら、耳元から聞こえてきた、愛しい人の声。
「え……」
「あなたはまったく、変わらずおバカさんですね。いえ、あの時の状態で帰ってきたんですから、当たり前ですね」
その声、えっ、ちょ、なんで?
日本語?というか、え?なんで……君が、
「ぐ、らどす……?」
「ええ、そうですよ」
抱きついていた人の肩を掴んで一旦離し、向き合わせる。
そこには白髪の、びっくりするくらいの美人がいた。
「くぁwせdfrgひゅじk」
「今の私には日本語での会話も可能です。ですのでどうか人語でお願いします」
「まままままままさまさまささささまさかまさかぐぐぐぐGLaDOS……!?」
「落ち着きなさい。そうです、私がGLaDOSです」
どうしたのあのロボットは!?
いや別にロボットじゃなくてもいいけどね!ふつくしい!
「えーっとぉ……なにがどうしてそうなった?」
「そうですね……科学には限界がない、とでも言っておきましょうか」
GLaDOSはフフッと笑って、
「リュー……会いたかった」
そう言って、目に涙を溜めて、綺麗に泣き笑いをした。
「あ、あはは……俺も、夢みたいだ。GLaDOSと、こんな形で会う事ができるなんて……」
泣き笑いする君がどうしようもなく綺麗で、愛しくて、たまらず抱きしめた。
「「「エンダアアアアアア!!!!」」」
なんか周りがうるさいがとりあえずお祝いのBGMとして受け取っておこう。
クリスマスでもないのにサンタさんが最高のプレゼントくれた
(生まれた事に感謝)
(君と出会えたことに感謝!)