人でなしの恋 | ナノ


part1

「あれ」



特になんの音も聞こえなくなったので目を開けてみると、なんだろう、とっても人工的な空間にいた。



「んー……ここが天国なんだろうか……」



天国ってすごいメカメカしいんだなー
ていうか俺、天国行ってもいいのかな。よっしゃ



「お?」



ちょっと後ろを振り向けば、なんだろう、青い目玉に手足を付けたような奴と、インディアン米に手足を付けたような……ロボット?がいた。
心なしか怯えているように見える。



「あ、まぁそうだよなぁ」



自分の姿を見てみる。
学ランにベットリと赤い液体、所謂血が付着していた。
両の手も血でべたべただ。
普通怖いだろうな、こんな奴。
あれっ、斧は?電車に轢かれる前は持ってたよね?ないんだけど。



「まぁ、いいよね。死んじゃったんだから」



むしろあんなの持ってたら絶対悪目立ちするし、かさばるだろうし、むしろ必要ないよ。今となってはね。



「ねえ、喋れるなら聞きたいんだけど……ここどこ?天国?と見せかけての地獄だったり?」



血はこすっても取れない、というか余計汚くなるし、もうそのまま諦める。
あいにくハンカチじゃぬぐい切れないだろうしね。
だからもう、この血まみれのまま喋りかける。怖いのは我慢してもらう。
喋りかけたら、二人(二体?)ともオロオロして、なんというか身振り手振りのジェスチャーをしてきた。
あ、喋れないのね。



「そっかー、喋れないんなら仕方ないねぇ」



それなら困った。
仕方ないとはいえ、せめてここがどういうところなのかは知りたかったなあ。
ほら、なんかあれだよ。
閻魔大魔王様とかに地獄の審判をしてもらうとかさ。なんかあると思うし。



【失礼】



どうしようか悩んでいると、アナウンスが流れてきた。



【不躾で申し訳ありませんが、あなたは誰ですか?ありえないとは思いますが、ApertureScience社の関係者ですか?更に聞きますが、どういう手段を用いてテストチェンバーに侵入しましたか?速やかに質問にお答えしていただければ悪いようにはいたしませんよ】



セクシーで、エロティックな声で発せられる滑らかな英語。
その声を聞いた瞬間、胸が高鳴った。



【もしもし?聞こえてますか?】



電気が走ったとか、直感を感じたとか、所詮物語の中の話だろうと。どうせ勘違いだろうと思っていた。
そんな時期が俺にもありました。
だけどすごい、本当に……あったんだ。







「すみません!俺とお付き合いを前提に結婚してくださいっっ!!」







一目惚れは!本当にあったんだー!!





電流とか直感とかそういうレベルじゃなかった





(は?)
(いや、一目惚れじゃなくて……一聞惚れ?)
(……おっしゃってる意味がわかりません…)
(結婚してください)
(え、嫌です)
( ゚ロ゚)

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