「なァ、名前...。」
「何?ロー。」
聞きたかったことがある、とローは名前の耳元で光る金色のピアスに手をやる。
このピアスは自分が2年前、プレゼントしたものだ。
柄でもない、と自分に飽きれたがお前のあの時の嬉しそうな顔。
それが嬉しかった。
こんな風に誰かを想うことは、悪くないと思ったんだ。
「どうして船から降りたときに、外さなかったんだ?」
あれだけ冷たく一方的に船を降ろしたため、外されてもおかしくないとローは考えていた。
だが、手配書に写る、名前の耳元にはピアスがあった。
これはまだ自分を想っているというメッセージなんだ、と自負していたが...。
「ローが好きだったから。これを付けていれば、ローに伝わると思った。だけど海は広いでしょう?離れているロー私の気持ちを伝えるには、有名になるしかないって思ったの。」
「だから、お前は...。」
「ううん、賞金首になったのは偶然よ。でも私には好都合だったし、強くなりたかったし、懸賞金が上がれば私の存在をローに教えることができる。」
「ったく...。」
はぁ、という溜息と共にローが飽きれたように笑う。
「...ロー?」
「なんでもねェよ。動くぞ。」
「あぁ...っ!!」
考えていることは同じ―――か
なァ、名前。
俺もそう考えてたよ。懸賞金をあげれば、どこに居ようがお前の目に止まる。
俺を忘れないように。
お前が寂しくないように。
「も、だ...め...!!」
ローは名前のくびれた腰を掴み最奥を突き続けた。大きく上下にゆれる胸を見るだけで、快感が湧き上がってくる。
「...っは、俺ももう...。」
「あぁ、ローっ!好き、大好き。」
グ――――ッ!!
ローは今までで一番激しく腰を打ち付けた。
ビクビクビクっと激しく収縮する名前の身体。首を左右に振りながら快楽に乱れる姿は、ローを絶頂へと導く。
「....っ!」
小さな声と共にローは名前の中に己の欲望を放った。
ドク、ドク――ッ。
何度も跳ね上がるそれは、止まるところを知らない。溢れんばかりの白濁した液を放つ。
「...っはー、俺もだ。」
苦しそうな汗が滲む顔が、やけにセクシーで名前の心を燻る。
「ロー...。俺もだ、じゃなくてちゃんと好きって言って?」
名前がそっとローの頬に手を回す。そして触れ合う額。
「.......好きだ。」
目線を横にズラし、恥ずかしそうに彼は言った。その姿がとても可愛くて、名前は微笑み、キスをする。
運命。
俺はその言葉が大嫌いだった。
金、地位、名誉。
これらを手に入れることができたのは運命だとほざく奴らがいる。 だが、それは間違いだ。
力があるやつが手に入れる。力のあるやつが勝者。
そう思っていたのに。
名前。
お前と出逢えたのは“運命”そう思わずにはいられない。
heart.
胸の刺青がチクっと疼いた。
「「愛してる。」」
言葉を交わし、二人はもう一度キスをした。
Fin.