<※裏>
いきなり前を見せるのには抵抗があったため、後ろを向き、ローに背中を見せる様に、名前は服を脱いだ。
「薄くなったな......。」
ツツーっと傷を上から下に向かって、ローの指がなぞる。ただなぞっているだけだが、その動きがどことなく厭らしく、名前の身体に力が入る。
「どうした...?」
「何も...っ。」
「そうか...。」
その反応を楽しむように、ローはペロッと傷口を舐める。「ひゃ、ぁっ。」と名前から、声にならない声が聞こえた。
「こっち向け。」
そう言われると、無意識にローのほうを向いてしまう。
次の瞬間、唇が強引に奪われた。
「んんーッ。」
あまりの激しさに酸素を求めた隙間からローの舌が差し込まれ、絡め取られる名前の舌。お互いの唾液が混ざり合う音が、余計に二人を刺激した。
「傷っ、見るんじゃないの...?」
「見てるが?」
強い力で仰向けになるように、押し倒される。ベッドのスプリングのきしむ音がして、名前の身体は小さく弾んだ。
上から下へと指でなぞられる胸の傷口。
そして腹部の辺りへといくと、ローの大きな手が名前の柔らかい胸を包み込んだ。
「ぁん......っ。」
それだけで漏れる甘い声にローは微笑を浮かべると、包み込んだまま胸の突起を刺激する。
なぞったり、摘まんだり。触れるか触れないかの刺激が、名前のそれを硬くさせた。
漏れ出る甘い吐息と声を楽しむように。もっと鳴けと言わんばかりに、ローはそれを口に含むと舐めて吸ってを繰り返す。
「やぁ...っ!あぁ......。」
その間にも揉まれる胸の刺激とともに、伝わる舌の動きに名前は腰をくねらせた。
「あとは傷が消えるのを待つだけだ。」
そう言ってローの手は、名前の下腹部へと伸びていった。
めくれ上がったミニスカートの裾に手をいれると、太ももの内側に沿って秘部へと進めていく。
そしてあともう一歩のところで、ローの動きが止まった。
「俺の質問に答えろ。お前は魚と話せるのか?」
「........話せる。」
それを聞いたローは核心に触れたのか、名前が思いも寄らぬ言葉を口にする。
「人魚だからか?」
名前はびっくりしたように目を大きく見開げ、返す言葉を必死に考えているようだった。
「俺の知ってることを教えてやる。アザのある人魚の話...。」
*
世の男を魅了する首筋にアザのある人魚。その人魚が海へ帰るとき、その涙は全て癒す力がある。
「俺はそこまでしか知らないが...。」
ローは首筋にあるアザをなぞる。
「このアザは本に書いてあるものと同じだ。そしてお前は人魚の姿をしていない。」
だが、魚と話すことが出来るのは、人魚と魚人たちだけだとローは続けた。
名前が人魚であるならば、人魚が海へ帰るときと言うのは名前が人魚の姿になった時、という事をなんとなくだが推測していた。
だが、お前が人魚であるという証拠はどこにもなかったからな、とローは言う。
「産まれたときからこうなの...。」
「最初はただ、そのアザに興味が合って連れて来ただけだったんだが...。」
ローの顔が近くなる。そして唇が優しく重ねられた。
何度も何度も角度を変えて、お互いが惹きつけられるようにキスを繰り返した。甘い吐息が二人の間に広がる。
「本に書かれた通り...。俺も名前、お前に魅了されたかもな。」
そして、もう一度キスをする。片手で胸を揉み、もう片方の手は下着の上から秘部をなぞる。
「ぁ、ヤダ...!!ロー...ッ。」
「無理だ。」
「や、め.....ん.....ッ。」
「......やめねェ。」
*
ローが割れ目をなぞっていると、名前の下着がうっすらと湿ってくるのが感じられた。
少し下着をズラし、その隙間から濡れ具合を確認する。
クチュッと音がした。
名前のそこが十分に濡れているのをローは確認すると、名前のミニスカートとショーツを丁寧に脱がせていく。
そして、それが終わるとロー自身も自分の服を脱いだ。
(ローの刺青...。)
hurt。
以前ローがそう言っていたheartでは無くhurt。
傷つける、という意味のハートだ。それがどういう意味なのか、いつかローも話してくれるのだろうか?出来るなら自分がローの抱えた闇を無くしてあげたいと名前は思った。
だが、そんな思いもすぐに押し寄せる快感で消えていった。
「......っ!あぁ...!!」
ローは円を書くように、人差し指と中指で秘豆を挟み刺激する。遮るものの無いそこは、
クチュクチュと厭らしい音をたて、先程よりも愛液でヌルヌルになった。
「力を抜け...。」
チュプッという音とともに、ローの指が奥へと入っていく。ここに指を受け入れるのは二回目だ。
だが十分すぎるほどに濡れていたそこは、あまりにも容易く受け入れる。キュウキュウと絡みつき奥へ奥へと誘う。
「痛くないか?」
「ん...。」
初めての名前を気遣うように、ローは優しい言葉をかける。直接、愛を囁かれたわけではないので、ここに愛が存在しているかは名前には分からなかった。
が、この優しい気遣いに、その場限りの性処理の道具だとは思いたくなかった。
ローが好き。その気持ちが触れられれば触れられるほど、どんどん大きくなっていった。