ギフト | ナノ


君の声がきこえる



「名前」

「!!」

「?おい…」




後ろから聞こえてくる声に驚いてしまう。理由は突然話しかけられたこともあるけれど、それだけじゃない。




「な、ななな何…っ、翔君」

「あ、いや…何つーか………放課後レコーディングルーム取れたから練習しないかと思って」




主な理由
それは私が…翔君のこ、声がその…大好き、だから。
この声を聴く度に惚れ惚れしてしまい同時に恥ずかしさやら何やらで自身の頬に熱が集まるのを感じる。

その度に翔君は私を不思議そうに見る。まぁ…私がおかしいんだけど。





「あ、ああ練習ね!うん、わかった」

「…………」

「な、何…?」




そんな風にじっと見つめられたらその…さすがに恥ずかしいのだけれど。
翔君はそのまま無言でこちらを見つめたゆっくりと口を開く。




「名前ってさ」

「は、はい…」

「変人か…?」





……………はい?
今翔君の口から聞き慣れない単語が聞こえてきたような気がしたけど…気のせいかな。





「だってお前、俺が話しかける度にびくびくするし」

「いや、それは何て言うかその…」

「……?」

「声が…」




私…声が大好きで
特にこのクラスの良い声ランク(私が勝手に考えた)の3位以内に翔君も入っている。
もうその声が聴けるだけで一日幸せな気持ちになれるし、まさか彼とパートナーになるなんて思っても見なかったから…正直凄く嬉しい。





「私、声が大好きで……中でも好きなのが翔君と…あと神宮寺さん、一ノ瀬さんの声」

「…名前、お前……変人じゃなくて変態だったのか?」

「え…ええええ!?」




そ、そりゃあ昔から友達にちょっと変だとかおかしいとか散々言われて来たけれど……変態と言うパターンは初めてだな。あ、いや、感心してる場合じゃない。




「へ、変態は初めて言われたけど…でも私、翔君の声が本当に好きなんだよ!」

「お、お前…そういうこと、真顔で言うなよな!」

「…へ?」




そういうこと?
ただ思ったことを伝えただけだと思うけど。…何だか翔君の顔が少し紅いような…気のせいかな。




「私としては褒めたつもりなんだけど…」

「ったく…俺以外の奴に軽々しく言うなよ!」

「え…一ノ瀬さんとか神宮寺さんは?」

「駄目」




そ、そっかぁ…
それは少し残念だけど…翔君みたいに変態扱いされそうだし、ここは彼の言う通りにしよう。





「名前は俺様の声だけ聴いて、最高の曲を作れば良いんだよ」

「…………」

「な、何だよ黙って」




今の声…凄く良かったなぁ
気を抜くと顔がにやけてしまいそうで頑張ってるつもりだけど翔君から見るとおかしく見えてるのかな。








「そ、それに俺も…」

「?」

「お前の声、好きだし。聞いてると元気が出るっつーか…」

「しょ、翔君…」




そ、そんな籠ったような声でそんなこと言われたら…私、私…!




「顔がにやけちゃうよ…」

「お、お前はぁ…










やっぱり変態かー!!」










君の声がきこえる

(お、怒った声も素敵っ)

(はぁ…めんどくせー…)






――――――――――――
「ながれ星」の美柑様から相互記念にいただきました!

にやける夢主ににやけました。翔ちゃんの声なんて聞いたらそらにやけますわな!hshsですわな!

美柑様、とっても可愛い作品をありがとうございました!

2012.1.22






bkm



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