小噺 | ナノ


後輩




「金ちゃん、たこ焼き好き?」

「もちろん、大好きや!」

「ほんなら、お好み焼きは?」

「めっちゃ好きやでー!」

「ほなら、ウチのこと好き?」

「おん!好きや!」

「きゃー!」

「何が『きゃー』やねん、先輩キモすぎッスわ」

「何やねん財前、曲聴いてるんと違うかったんか?」

「二人の声がうるさすぎて嫌でも聞こえてくるんスよ」

「なあなあ、たこ焼きとかの話してたらワイ腹減ってきた」

「帰りゃええんちゃう?」

「だーこら財前、何言うてるの。ちっとはこの可愛さを見習えや。見てみい無垢な笑顔!」

「何々、笑たらええん?」

「かーわいいーっ」

「アホらし。付き合ってられませんわ」

「かわいい後輩がおればかわいくない後輩もおるっちゅーことやな。仕方ないか」

「…先輩の好きの基準って、可愛いだけなん?」

「まあ、半分はせやな」

「ほんならもう半分は?」

「そりゃ格好良さやろ。金ちゃんはテニスん時が一番格好ええで!」

「ほんまか?おおきにー」

「…なんでこないにムカつくねん、俺…」

「あ、財前もな」

「へ?」

「テニス中だけは、めちゃ格好ええと思うで」

「お…おん。おおきに」

「何や、意外とウブやな自分。可愛いやん」

「なっ!?」

「なあなあ、たこ焼き食べたいー!」

「よしゃ、ほな先輩が可愛い二人に奢ったる!」

「よしゃああああ!」

「…先輩の財布、食いつぶしたりますわ」






[*prev] [next#]

bkm



top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -