★
後輩
「金ちゃん、たこ焼き好き?」
「もちろん、大好きや!」
「ほんなら、お好み焼きは?」
「めっちゃ好きやでー!」
「ほなら、ウチのこと好き?」
「おん!好きや!」
「きゃー!」
「何が『きゃー』やねん、先輩キモすぎッスわ」
「何やねん財前、曲聴いてるんと違うかったんか?」
「二人の声がうるさすぎて嫌でも聞こえてくるんスよ」
「なあなあ、たこ焼きとかの話してたらワイ腹減ってきた」
「帰りゃええんちゃう?」
「だーこら財前、何言うてるの。ちっとはこの可愛さを見習えや。見てみい無垢な笑顔!」
「何々、笑たらええん?」
「かーわいいーっ」
「アホらし。付き合ってられませんわ」
「かわいい後輩がおればかわいくない後輩もおるっちゅーことやな。仕方ないか」
「…先輩の好きの基準って、可愛いだけなん?」
「まあ、半分はせやな」
「ほんならもう半分は?」
「そりゃ格好良さやろ。金ちゃんはテニスん時が一番格好ええで!」
「ほんまか?おおきにー」
「…なんでこないにムカつくねん、俺…」
「あ、財前もな」
「へ?」
「テニス中だけは、めちゃ格好ええと思うで」
「お…おん。おおきに」
「何や、意外とウブやな自分。可愛いやん」
「なっ!?」
「なあなあ、たこ焼き食べたいー!」
「よしゃ、ほな先輩が可愛い二人に奢ったる!」
「よしゃああああ!」
「…先輩の財布、食いつぶしたりますわ」
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bkm
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