★
ボッスン・椿はぴば
「「メロンパン一つ」」
「ん」
「ム」
「てめー椿このやろー、声合わせてんじゃねえよ」
「誰がキミになど合わせるものか」
「人を馬鹿にした物言いは会長になっても変わらないのか、お前は」
「おばさん、メロンパンを一つ」
「聞けよ！」
「メロンパン、後一つしかないわよ」
「さすが人気商品だな」
「一つしかないのか…」
「……」
「……」
「…なんだ藤崎」
「んむむむむ…」
「も、もしキミがボクにメロンパンを譲ろうなどと考えているなら、そんなのはこちらから願い下げだからな」
「はあ？ぶぇべっべつにそそそそんなんじゃね、ねえよっ」
「考えていたのか！？」
「ちっ、ちげー！別にお兄ちゃんだから譲ってやろっかなーとか思ってないし！」
「な！？なんだ今日に限って気持ち悪いぞキミは！」
「気持ち悪い言うな、傷ついちゃうだろ！」
「知るか！」
「で、どうするんだいお二人さん」
「………」
「………」
「…仕方ねーからてめーに譲ってやる」
「だから、そんなのは」
「ただし、それはお前がオレの弟だからとかじゃなくてだな」
「ム」
「…誕生日だからな」
「……！」
「たまには趣向を変えて、祝ってやるよ」
「…おばさん、メロンパンを」
「誕生日なの？おめでとう」
「ありがとうございます。それを、二つに割っていただけますか」
「おい」
「はいよ」
「どうも。…ほら、キミの分だ」
「何だよ、人の好意を」
「ボクが誕生日なら、キミも誕生日だろう」
「……まあな」
「いいか、一度しか言わないから耳をふさいでいてくれ」
「矛盾してんぞ」
「誕生日おめでとう」
「…オレも一度だけな、おめでとう」
HAPPY BIRTHDAY ボッスン！椿！
[＊prev] [next＃]
bkm
▲top