小噺 | ナノ


コールミー2



これの続き





「もしもし」

『うん、もしもし』

「まだ寝てなかったのか」

『う…どーしよ翔ちゃん、全然眠れないんだよ…』

「明日、だもんな」

『…うん、とうとう』

「頑張れよ」

『…自信、無いよ』

「んな声出すなって。今まで、精一杯やってきたんだろ?」

『それは、…そうだけど』

「だったら、後は出てくる問題に全力で当たるだけだ。だろ」

『うぅ…』

「あのな、いいこと教えてやるよ」

『え?』

「俺さ、今まで色んなところで、何千人何万人の前でライブとかしてきたわけだ」

『う、うん。うちもその一人だよ』

「いや、お前はとくべ――っ」

『なんて?』

「あ、いやっ、何でもねえ!…こほん。で、だ。俺様を見に来た奴らは、当然最高のパフォーマンスを期待してる」

『そうだね』

「緊張、しないと思うか?」

『え、だってライブの翔ちゃん、いつも通りじゃ』

「そんなわけねえ。ステージに出る瞬間は未だに慣れないんだ。だけど、お前が言う『いつも通りの俺様』を魅せるために、」

『………』

「成功する自分を、強く想うんだ。俺は出来る、こんなに未来がはっきりしてるんだから、出来ないはずがない――ってな」

『…イメージ』

「そうだ。だからお前も、成功を収めた姿を想像しろ。俺も、遠くからそう願ってる」

『…うちは、出来る』

「ああ、絶対に大丈夫だ」

『…えへ』

「うん」

『ありがと、なんか元気出た』

「おう」

『よーっし、では明日のためにそろそろ寝ますか』

「そうだな」

『じゃあね翔ちゃん、
……――だよ』

「え?
…切れたか。つか、最後…もしかして、
――いや。
…春になったら、ケリつけるか。
いい加減、好きだって言わねえと、な」






2012.01.14/15
全国の受験生様方、共に頑張りましょう!






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