★
スピード
「なあ神尾」
「何スか」
「お前と俺はスピード狂っちゅー点では似とるけど、せやからて同じにして欲しくは無いっちゅー話や」
「いや、ホントに何スか」
「スマンスマン、結論まで急いでしもた」
「はあ…」
「つまりやな、その口癖があかんねん」
「口癖?」
「せや。お前走るときいっつも叫ぶやろ」
「リズムに乗ってるだけっスよ」
「それや!」
「は」
「『リズムに乗るぜ!』ちゅーて、聞いとるこっちが恥ずいねん」
「い、いやいや、これは口癖とかじゃなくて」
「更にや。『リズムを変えるぜ』『リズムにhigh!』――正直、関西でもウケへんで」
「ウケ狙ってるわけじゃないですから!ていうかケンヤさんこそ恥ずかしいですよ」
「何がや?」
「何ですか『浪速のスピードスター』って。言っててダサいとか思わないんですか」
「スピードスターはスピードスターや」
「訳分かりません」
「ふー…あかんわ神尾。やっぱりお前は俺に追いつけんっちゅー話や」
「リズムに乗れば負けねえ!」
「さよか。ほなさいなら」
「あ、パワーアンクル」
「浪速のスピードスターがいるっちゅー話やでえ!」
「…悔しいけど、やっぱりリズムが誰より速いぜケンヤさん…」
「何やねん自分らキモいわ。スピードフリークめが」
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bkm
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