小噺 | ナノ


雷のおっさん



「うわあああああああん!!!!!」

「ど、どうしたんですか?」

「雷うわあああああああん!!!!!」

「苦手なんですか〜?」

「だからこうして怯えてるんだぜまた鳴ったあああああ!!!」

「わあ、震えてるところも可愛いです」

「なっちゃん平気なの!?なんで!?」

「ええと、なんでと聞かれると困りますねえ」

「そんなの絶対おかぎゃああああまた光ったああああああ」

「風情があって素敵です」

「日本人離れした見た目の癖にっ!」

「あ、またぴかって」

「いやああああああボルトロス様どっか行けえええええ!!!」

「ぼるとろす?」

「雷神のおっさんのこと!局所に豪雨を降らせやがるんだよ!強いんだけどさ!」

「へえ〜」

「うぎゃあっ!…うぐっ、も、もうやだうわあああああああん!!!!!ボルトロス倒しに行くからわたしに冷凍ビームを教えてくれえええええ!!!!」

「ふふふ、可愛いです」

「ぐすっ、え、なっちゃん?」

「泣いてるあなたも可愛いですけど、やっぱり僕は笑った顔が見たい」

「な、なっちゃん…」

「だから、落ち着くまでこうしてぎゅってしてますから…その後は、とびきりの笑顔を見せてくださいね」

「なっちゃん大好またかよ空気読め雷っ!!」

「ふふ」






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