小噺 | ナノ


ヘタレ



「なあなあ」

「何や?」

「何で俺ってヘタレキャラなん?」

「なんやそんなことか」

「俺には重大案件やっちゅー話や」

「見た目と空気」

「は?」

「なんとなくや。ヘタレっぽいねんお前」

「身も蓋もない!」

「ウチが覚えとる限り、ヘタレの片鱗を見せたんは小一のプールやな」

「そないに早かったんか!?」

「さすがは浪速のスピードスターやで」

「あ、おおきに。…ってなんでやねん!」

「満更でもない癖に」

「ちゃうわ!くそっ、全国大会はめっちゃかっこよかったのに…」

「ジャンプに載せる部分はな」

「こら、メタいで」

「けどあれやな、不動峰戦はやな」

「おん、何や?かっこえかったやろ?」

「師範はまだしも謙也のどや顔はうっとかったわ」

「どうせ褒められへんと思うたわ!」

「財前ときもいきしょい言うてたんやで、ざまあ」

「そないに俺をいじめて楽しいかっちゅー話や!」

「おん、むっちゃ好きやで」

「畜生泣いたるからなっ!泣かされたいうて師範に告げ口したるからな!」

「せやから、謙也はヘタレや言うねん」






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bkm



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