薄桜鬼短編 | ナノ


階段にて



「名前ちゃん、パンツ見えてるよ」
「見えてんじゃねえテメーが見てんだよ沖田総司ぃっ!!」

階段の下からぴらりとスカートをめくってやれば、サイドテールの可愛い女の子から蹴りが飛んできた。
まあ、かわすけど。

「今日はイチゴかあ。やっぱり名前ちゃんってちょこちょこ可愛いよね」
「ああもうっ、逃げんな!蹴らせろ!」
「無駄な努力だね」
「誰のっ!せいだっ!」

新体操部の柔らかな足は手すりを媒介にあっちこっちへ飛び回る。こっちは剣道で鍛えた動体視力でそれを避けていく。

どちらが体力の減りが早いかと言えば、当然名前ちゃんだ。あれだけ動けば当然だね。
肩で息をする名前ちゃんの目の前でしゃがみ込み、目線を同じにしてみる。

「っ今だぁっ!!」

ぎらっと彼女の目に闘志が宿ったかと思うと、思い切り仰け反って頭突きをかましてくる。

「甘い甘い」

対して僕はちょっと腰を上げて名前ちゃんの顔を胸で受け止めた。「うぐっ」とおよそ女の子らしくない声を出して彼女は僕の腕の中へ。

「そんなに抱きしめて欲しいなら、最初に言えばいいのに」
「むぐーっ!むぐぐーっ!!」
「うんうん、僕も大好きだよ名前ちゃん」

暴れまわる名前ちゃんを更に強い力で抑えつけ、ぎゅーと抱きしめてやる。そんなに喜ばなくてもいいんだよ。
少し濡れたままの髪の毛からはシャンプーの香りが漂ってくる。朝練を終えたばかりなのだろう。僕もそうだから分かる。いつもこの時間にはこの階段で一緒になるのだ。それを分かっていて尚時間をずらさないということは、そういうことなんでしょ?

「ふふふ」
「んぎぎぎぎぐぐ」
「本当に可愛いなあ名前ちゃん」

せめて顔を僕の胸からそらそうと歯軋りして力を込めるけど、僕の力の方が強い。当然だ。
さすがに酸素を与えなきゃ死んじゃうから、僕はそっと腕の力を緩める。その瞬間名前ちゃんは僕の腕を跳ね上げて後ろに飛び、タンブリングで距離をとった。
自然に拍手が出る。さすが新体操部エース。
顔を真っ赤にして大きく息をしながらも、気丈に睨みつけてくる。

「…てめーの目的は何だ」
「名前ちゃんのそういう顔を見ること」
「人に辱めを与えて楽しいかっ!」
「名前ちゃん限定で、生きがいだね」
「……っ趣味わりーな…!」
「ありがとう」

にこりと笑顔で返せば、名前ちゃんは悔しそうに頭をかき乱した。

階段にて
(ああ愉快)


「あ、明日はスパッツ履いてくるし」
「そしたら脱がすよ」
「ド変態!!」

――――――――――

アンケより「変態沖田さん」でした…が、変態って何?フランキー?くま吉くん?それともポケモン的な意味?
かなり悩みまして、とりあえずパンツでいっか、と落ち着きました。
パンツじゃないからはず(ry

アンケリク、ありがとうございました!


2011.09.12







bkm



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