「暇だなー」
やる事終わっちゃって、宏斗が帰ってくるまで暇なんだよなー…
ご飯も作り終わってるから後は宏斗が帰ってきたら温め直すだけだし。
ゴロンとソファの上で横になって薬指に嵌ってる指輪を眺めてると自然と笑顔になる。
嬉しかったな…
なんて事を考えていたら玄関が開く音が聞こえて急いで出迎えに行くと、丁度宏斗が靴を脱いで部屋に上がってくるところだった。
「お帰りなさいっ」
飛びつくように抱きつくと宏斗の匂いに包まれてぎゅっと抱きしめられた。
……やっぱり落ち着く。大好き
「ただいま和泉。いい子にしてたか?」
「もー…僕、子供じゃないよ」
ふわふわ撫でられて気持ちいいけど、宏斗に言われた言葉にむっとして抱きついたまま見上げると、目が当たり前の様に合った。
宏斗の目に映る僕は拗ねてるけど幸せそうな、嬉しそうな顔してる…
宏斗が大好きだって顔してる……
「どうした?和泉」
じーっと宏斗の目を見つめてたからか、宏斗が不思議そうに首を傾げてきたから慌てて目をそらしてにこっと笑った。
「ううん、なんでもない。ご飯温め直してくるね?……あ、お風呂沸いてるから先に入ってきてもいいよ?」
「分かった」
ぱっと離れて言うと、宏斗は僕の頭をくしゃくしゃ撫でてそのままおでこにキスしてからお風呂に歩いて行った。
……おでこじゃなくて口が良かったな…なんて。
宏斗が我慢したんだから僕も我慢しなきゃ。
そう心に決めて、僕はまたキッチンに立って料理を始めた。
ー To be continues ー