11.きぐるみを着て 


「ひろー!見てみて」


風呂からあがって和泉が着てきたのは見慣れた服じゃなくていつか見た真っ白なうさ耳のついたきぐるみだった。
俺の目の前まで来て垂れ下がった耳を持ち上げて様子を伺うように俺を見つめてくる和泉。

やっぱり天使だ。
俺だけの可愛い天使。


「宏斗…?似合って……わっ」
「すげー似合ってる…かわいいよ」
「よかった」


膝の上に座らせてフードを外して少し濡れた髪を撫でると、和泉は嬉しそうにふにゃあっと笑って抱きついてきた。
その時ふわっと鼻を掠めたシャンプーの匂いが俺と同じで、自然と頬が緩む。

「ひろ」なんて言って抱きついてすり寄る和泉は本当に天使で、今すぐにでも食べ尽くしたい。


「なんできぐるみ?」
「宏斗が前にゆうくんの家で可愛いって言ったから……だから」
「だから?」
「だから、着たら喜んでくれるかなって……思って」


なんて恥ずかしそうに俺の肩に顔を埋めてボソボソと話し出した和泉。
本当にこいつは……可愛すぎる。
いい嫁を貰ったな、なんてな。


「すげー嬉しいよ」
「ん…よかったぁ」


髪を梳くように撫でながら言えば、和泉は嬉しそうにふにゃ〜っと笑って戯れるようなキスをしてきた。

煽るのだけは上手なんだよな…和泉。
なんて思いながら首の後ろに手を回して引き寄せてちゅっとキスし返すと、嬉しそうに笑う和泉。


「ひろ…ひーろ、宏斗」
「聞こえてるよ」
「えへへ…大好き」
「知ってる」


あぁ、なんて可愛いんだろうなこの嫁は。
本当に和泉が居なくなったら俺、マジで生きていけないな……なんて改めて実感させられる。

これだけ可愛くて、いくら酷いことをしても離れて行かずにそばに居てくれるのは和泉だけだ。
だから、絶対に手放したりはしない。


ー To be continues ー


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