短めの噺 | ナノ




怖くて言えない事 (璃空×凛)

背中を見られるのが怖かった
学生時代にヤンチャしてた俺は敵対してたチームの奴らに嵌められて背中を斬り付けられて、火傷を負わされて皮膚がただれて醜い、他人に見せられない背中になった
今でこそ少しはマシになったけど、これ以上は綺麗にならないって先生に言われた背中は、醜くて汚い
だから、先輩にも見られたくなかった
それなのに先輩は見せろと言って服を捲って見てきた

(…俺、捨てられるのかな)

こんな汚くて醜い背中を見て離れない人なんて今まで見た事ない。これまでもそうだった
だから今回もそうだろうと思っていた
それなのに先輩はあろう事か醜い傷を撫でてそこにキスをしてきた


「せん、ぱい……?なにして…」
「痛かっただろ、これ」
「そりゃ痛かったですけど……え? 気持ち悪いって離れてかないんですか?」
「どうして離れないといけないんだよ」
「………」


先輩は違った
気持ち悪いよりも先に心配してくれた
……やっぱり、先輩を好きになって良かった


「凛?黙ってどうした?」
「改めて好きだなーって思ったんですよ」
「なんだよそれ」
「まあいいじゃないですか。あ、この怪我の原因は聞かないでくださいね? 言いたくないんで」


先輩に向きなおってニッと笑って言うと、先輩に押し倒されてベッドに沈む俺と上に跨る先輩


「いつか吐かせるからな」
「えー…言わないとダメ?」
「ダメだ。凛の事は全部知りたいからな」
「やだ先輩イケメーン。かっこよすぎてますます惚れました」
「凛は可愛いよ」
「俺、可愛いより格好良いの方がいいなー」
「…そろそろ黙って抱かれろ」
「はーい」


今 離れていかないって言われても素直に言えるほど俺は強くない
だから話せないけど、いつか必ず話すからそれまで待っててくださいね? 先輩

ー END ー



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