妹の初恋ほど恐ろしい物はない
「れんかは好きな男はいるのか?」
「なんですか、突然」
しかも私の部屋に普通の顔して入って来てるし…。少しは遠慮してほしいものだ。
「れんかには好きな男なんていないよな?」
ズイッと私の目の前に来た。私は思わず、うわぁっ。と叫んでしまったが、隆也くんはあまり気にしていないようだ。
(心なしか無駄に目が潤んでいるが。)
「…好きな人なんていませんが何k…」
ここで嘘を吐いても良いことなんてないので本当の事を言った。
「ひゃっほおい!良かった…れんかに好きな男がいるって言ったら死ぬかと思った…。」
「人の不幸(?)を喜ぶな」
ガンッ!!
なんだ、この失礼極まりないヤツは…そんな気持ちを込めて近くにあった雑誌で殴っておいた。
雑誌なのに先刻の音はないだろうという突っ込みはなしの方向で。
「ふふふ…これが愛の痛みということか。」
「ギャー!生きてた!」
本当はそのまま起きないように殴ったのに!
(れんかは好きな男なんて作らなくても良いんだ)
(うっさいわ!)
(結婚なんて論外だっ。)
(シャラーップ!!)
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