俺のナンバーワン
「れんかはいつ見ても可愛いなぁ」
「そういう隆也くんは気持ち悪いですね」
ベタベタしつこい…。
毎回毎回、よくもまぁ飽きないものだ。
「れんかはオレのよm…妹だからなぁ」
「今、何気に嫁とか言おうとしましたね?」
「ふふふ…気にするな」
「気にするわ!!」
私たちは双子の兄妹だけど全然似ていない。それは周りの人にもよく言われる。
「あなた達は似てないわねぇ…本当に双子なのかしらねぇ?シュン」
「全然似てないもんね」
「おま、シュン黙れ」
そして阿部くんが双子です!と即答する。キラキラと水をえた魚のように妹(認めたくはないが)である私の自慢を始める。
…それを聞いているお母さんは引きまくりだけどね。シュンなんか涙目だからね。
「そうじゃなくてれんか」
「何ですか?」
「俺たち兄妹なんだから敬語なんてしなくても良いだろ?シュンとれんかは普通に仲良くしてるし。」
「嫌です。シュンは隆也くんと違い良い子ですし」
「オレれんかねぇちゃん大好き!」
「私もよ、シュン」
「おい、シュンそこ変われ」
「やだ」
シュンとれんか姉弟仲良く抱き合っているとその輪の中に入ろうとした隆也くん。そしてそれを拒むシュン。
ぶつんと只でさえ短い導火線に火が着いた音が聞こえた気がした。シュンも何か嫌な予感を感じたのだろう。れんかに絡み付いていた腕が離れて自室にバタバタと走って行った。
邪魔者が消えたと隆也くん嬉しそうな顔をしてれんかの周りをウロウロしている。
(なんでこの人学校にいる時と違うんだろう)
私は隆也くんと同じ家族だなんて認めたくないからわざと敬語を使っている。
まぁ、たまに敬語じゃなくなる時もあるけど。
(そんなれんかも大好きだー!)
(何の脈絡もなく唐突に言うなー!)
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