破廉恥すぎる貴方の行動
スカート捲りなんて小学生のする低レベルな行動だと思っていました。そして年齢が上がっていく内にそんな行動をしなくなるだろうと思っていた。勘違いしていたのだ。
 
 
西浦高校に入学して、そんな私の概念を粉々に打ち砕いてくれたのは他でもない阿部隆也くんだった。
 
千代ちゃんの紹介でマネージャーをすることになって挨拶をした時の印象は少し怖くて近寄り難い空気を醸し出していて「この人とは仲良く出来そうもないな…」なんて思ったものだ。それが今では別の意味で近寄り難い。
 
どちらの方が良いかと聞かれればなんの躊躇いもなく前者を選びたい。あの頃の平和な日常に戻りたい。今の阿部くんは違う意味で怖い。
 
以前の阿部くんだったら必要最低限の挨拶と連絡事項だけだったのに、最近はこんな事ばかり言うのだ。
 
「お、れんか今日は昨日より可愛くなったな…もしかして好きなヤツが出来たのか?」
 
素直に可愛いと言われて顔を赤くする私に「照れた顔もいいな」なんて言われた日にはもうどんな顔をしたら良いか分からなくなった程だ。
あの時は心を許してくれているのかと思い、嬉しかった。それは良い。
 
「今日のれんかのスカートいつもより少し長いな。清楚な感じでいいと思うぞ」
 
……これはギリギリセーフ。
少々首を傾げそうになった。どうして着替えた私よりもちょっとその変化にいち早く気づけたのか。疑問に思ったが好意的に受け止めておくことにした。
 
 
「昨日のれんかは(自主規制)で(自主規制)だった。ありがとな」
 
全てはここから音を立てて崩れていったのだ。
 
「大丈夫。オレは知ってるぞ。普段は辛辣な言葉を掛けるがベッドの中では──」
「そ、んな訳ないでしょ!撤回しなさい、今すぐ前言撤回しなさい」
 
ないない。これはない。私は思わず彼の肩を掴み大きく前後に振った。言っておきますが私は彼(今は名前も口にしたくない)とは全くそんな関係ではないのです。本当に。だから周りの生徒もそんな不信そうな目で見ないで下さい。お願いです。
 
 
「ったく、そんなに照れなくてもいいのによ……」
「それを照れていると解釈する貴方の脳内が恥ずかしいです」
「あなただなんて、そんな……まだ早すぎないか?」
「ねえ、聞いてる?人の話聞いてる?」
 
早すぎると口で言いながらも彼の手は私の目でも追えない程の速さで何か揉むような仕草をしている。この何か、とは怖くて口に出来ない。口にしたら恐ろしいことになる気がする。それはとにかく私は身の危険を感じた。足を一歩引いて気付かれないように距離を置こうとする。
 
 
「安心しろ。オレたちはもう何回もヤッ」
「よし、歯ァ食いしばろうか」
「え、あ、ちょ……ギャァァァァ」
 
その後彼の行方を知るものは誰一人いなかった……。
 
「馬鹿な……オレはまだ生きてる」
「うるさーい!」


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